「読んだよ」と声が、迷いながらも「また書こう」と私を前向きにする

気が付けば、時間を見付けてエッセイを書くのが日課になった。
元々、私は小説や物語を書くのが好きだった。だけど、自分で一から創作するのはとても難しいという事に直面した。
高校生の時、卒業前の課題でドキュメンタリー形式の作品を作る事になり、色々な場所に繰り出して様々な人に取材を行った。最初はあまり意図していなかったものの、その時起こった出来事をシンプルかつありのままに書くスタイルは評判が高かったようで、インターネット上にアップすると沢山の人が読んでくれた。
「将来はジャーナリストかな」と仰ってくれた人もいて、それを機に「自分はエッセイに向いているのかもしれない」と思うようになった。
私の取り柄は、文章を書く事だけだ。でも、一から何かを生み出すという行為が苦手な為、あらかじめテーマが決まっているととても書きやすい。「かがみよかがみ」のサイトで面白そうなテーマや興味のあるテーマがあると、途端にかがみすと魂に火が点いて止まらなくなる。
いざ完成した文章を読んでみると、少なからず迷う事もある。「本当に、これで書きたい事は全部読み手に伝わっているのかな?」と。
読み手の事もちゃんと意識しないと、という気持ちが湧いてきて、書いては消してを繰り返す。だけど、ずっとその事に囚われていたら、今度は自分の心から書きたいものを見失ってしまう。
バランスを取るのはとても難しいが、やっとの思いで完成したエッセイを見る度に、「書けたぞ!」という安心感を覚え、「どんな人が読んでくれるのかな」とワクワクする気持ちになる。気分はまるで成長した我が子を送り出す親だ。
投稿してからしばらくすると、「エッセイ読んだよ!」という声が届く。読んでくれた人が嬉しそうに報告するものだから、私も嬉しくなる。
ポジティブな事もネガティブな事も書いてきたけれど、最後の最後で救いのあるような締め括りにするのが私のエッセイの決まりである。読んでくれた人が「こんな人もいるんだ、じゃあ私も生きてみようかな」と思えるようなエッセイに仕上がっていたら良いな、と心の底から願っている。
書いた後に残るものは、ポジティブなものだけにする。それは、読んでくれる大切な人達の為だ。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。