1年前の4月から、突如始まった在宅勤務生活。これまでは毎日出社していたのに、突然、毎日会社に行かない生活が始まった。
隣の人との距離が近すぎる満員電車や、義務感で作り続けているお弁当作り、そして咳払いさえ人目を気にしてしまうストレスから解放され、すぐにステイホーム生活に馴染んだ。
元々印鑑レスなどのデジタル化が進められていたので、在宅勤務は不自由なく、毎日会社に行かなくても仕事ができることに驚いた。
きっと私は在宅勤務が向いているのだと信じて疑わなかったのは、2年間同じ業務を担当していたことで、慣れによる余裕があったからだと思う。

悩みや上手く行っていないことをノートに書き出し、昇華させた

年度末の3月が近づくにつれ、2020年度の個人に割り当てられた課題が終わっていないことと、異動が決定したための引き継ぎに忙殺された。
個人課題に関しては、1年間で計画的に進めなかったことを反省して、次に生かすことしかできない。
引き継ぎに関しては、2年間同じ業務を一人で担当してきたことにより、全ての引き継ぎ資料の作成が必要であった。
もちろん継続して進めている案件もあり、まだ異動を公表できるタイミングではなかったときは、後任に会議の同席を依頼できず、毎日てんてこまいになっていた。

その頃からであろうか。
年度が終わるまでに、個人課題と引き継ぎが完了しないのではないかと不安になり、時々気分が落ち込むようになった。
その時は疲れているのだと思って、元気を取り戻すために休日はひたすら睡眠時間にあてた。
平日にふと、もやもやした気分になったときは、今仕事で悩んでいることや上手く行っていないことをノートに書き出して昇華させていた。
年度末のゴールに向かって、気分が落ち込むことがありつつも、ひたすら仕事を続けたことで何とか個人課題と引き継ぎ業務は完了した。

異動してから、在宅はもっと大変に。右も左も分からず、不安に

4月に異動してからがもっと大変だった。
これまでの業務と全く内容が違い、新たな環境で、お作法も違い、右も左も分からない状態になった。
今度は、この仕事のやり方で合っているのか、求められていることができているのか、やるべきことはあるはずなのに、こんなに手持ちぶさたでいいのか、と不安になったのだった。

そして、在宅勤務を恨んだ。
隣の同僚に、ちょっとした質問ができないのは、こんなに不自由なものなのかと、初めて知った。
新入社員に逆戻りした気分になり、「これまでのキャリアは何だったのか?」と思ったときに心が折れそうになり深く落ち込んだ。
一人暮らしをしているので、誰とも仕事以外の雑談ができず、不安を内に溜め込み過ぎたのもよくなかったのかもしれない。
たっぷり寝るだけでは、元気を回復できず、ノートに書き出すことも、あまりにクタクタだとやる気が起きなかった。

意識的に、仕事を忘れて無心になれることを。自己肯定感を上げていく

週1回の出社のときに、前の部署の社員と顔を合わせると、長期休暇明けのような気分になる。
出社日がなかなか重ならないことから、前回会ったときから2週間ほど経過していることが多いことが原因だ。
第一声は皆に同じように声を掛けられる。
「元気にしてましたか?」
そう問われて、毎回私は何て答えようか一瞬悩むのであった。
新しい業務についていけず、疲れ果てて悩みまくっているが、あまり心配はかけたくない。
そして、こう答えるのだった。
「身体は元気です」

だが、このままでは、身体にも影響が出てしまいそうで良くないと思い、仕事を忘れて無心になれることを意識的にするようにした。

これらが私の今の元気の源だ。
・出社したときには、可能な限り雑談をする
・疲れていても、胃腸に優しいごはんを食べる
・ゆっくり家事をする
・新しいメニューに挑戦するなど料理を楽しむ
・紙の本で読書をして、達成感を感じる
・エッセイを書いて、考えをまとめる

まだまだ実践中であるが、自己肯定感を少しでも上げて、深く落ち込むことをなくしていきたい。