かがみよかがみでは、「あの子がいたから」をテーマにエッセイを募集しました。たくさんのご応募の中から、編集部が一番心に響いたエッセイを「かがみすと賞」として選ばせていただきました。

今回は、かがみすと賞1本、編集部選として2本のエッセイをご紹介いたします。

◆かがみすと賞

「将来の夢」は社会に出れば最終回だと思っていた。彼女から学んだ「ゆくゆく」というその先(木ノ実ひよこ)

あらすじ:「将来の夢」は社会に出れば最終回だと思い、就活では「確実な足場をつくる」ことだけを考えるようになっていた。そんなとき、ある友人の言動に、気持ちが徐々に変化していく。

◆担当編集者からのコメント

「将来の夢は社会に出れば最終回」この言葉に思い当たる節がたくさんあり、共感しながら読ませて頂きました。いくつもの夢を語る幼稚園児、ゆくゆくを教えてくれたご友人、社会に出れば将来の夢は最終回だと思っていたエピソード。一つ一つがエッセイの彩りを豊かにしていて、読んだ後にとても爽快な気持ちになりました。ぜひ、ご一読ください!

◆編集部選
私の「性の対象」が女の子であることを、あの子はまだ知らない(マリフォンヌ)

クラスメイトの女の子「あんちゃん」に誘われて、男子校の文化祭に出かけた日。出し物のお化け屋敷を歩いていると、怖がるあんちゃんの身体がきつく絡んできた。自分の性への違和を、強く自覚していく。

◆担当編集者からのコメント

読みやすく、繊細な筆致、そして最後の一文にある仕掛けに思わず、「うまい...」と漏らしてしまいました。ご自身の葛藤が率直に綴られてあり、息遣いまで聞こえてくるようなエッセイです。

「お客様がずっと待っていますよ!」またクレームか?と対応したら人生が変わった(ぶしこ)

あらすじ:繁忙期のリゾートホテルでの仕事に追われ、心が荒む日々を送っていた。ある朝出勤するとすぐ、後輩からの「お客様がずっと待っていますよ!」の言葉。またクレームかと思いつつ、対応のためにロビーへ行くと、10歳ほどの女の子が立っていた。

◆担当編集者より

忙しさを全面に出した冒頭だったので「全体にクレームの話がくるな」と身構えていた所、ハッピーエンドでいい意味で読者に手を返すような展開。前のめりになって読み進めて行きたくなる構成が素晴らしいと思いました。読者の方からも「いい話だった...!」という感想も寄せられた、心温まるエッセイです。

以上、「あの子がいたから」のかがみすと賞、編集部選の発表でした!たくさんの素敵なご投稿を、本当にありがとうございました。現在募集中のテーマはこちらから。みなさまからのご投稿、お待ちしております!

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