口々に言われた「いい歳」は何が基準?自分で人生を決められる時代に

久しぶりに実家に帰ったついでに祖母や親戚に顔を見せると、待ち構えていたかのように、
「もういい歳なんだからそろそろ結婚は?」
「いい歳のうちに結婚しないと行き遅れるよ」
と、口々に言う。
いい歳=20代後半を指すということは頭の悪い私でも分かるけれど、その"いい歳"って何を基準に"いい歳"なのか。
確かに祖母の時代や母の時代ですら、「男は社会に女は家庭に」という考えが根付いていて、若いうちに結婚して、元気なうちに子どもを産んで、30代専業主婦、子ども2人、そんな肩書きが女としての勝ち組だっただろう。
けれど今は時代が違う。
女でも社長になることが出来れば、専業主夫という言葉だってある。
子どもを産む産まないも本人たちの意思で選ぶことが出来れば、女同士で結婚出来る時代だ。
60歳で揃って定年を迎えていたサラリーマン達は65歳まで働くことが出来る。
つまり私が言いたいのは、「時代は変わった」ということだ。
今に限って言えば、20代後半フリーター。
裕福ではないけれど、満足いくぐらいには生活出来ている。
結婚する友人達を見ると羨ましいと思うことはあるけれど、海外脱出を目論みる私からすれば結婚は足枷でしかない。
自分の人生でやりたいことリストを消化してひと段落ついた頃に、パートナーを見つけ、結婚したいと思うけれど、それが世間一般で言う"いい歳"の今ではなくて、きっと30代に突入してから、もしかしたら40歳ぐらいかもしれない。
そうなると「行き遅れた娘」なんて言われるのだろうけど、私は行き遅れているのではなく、「踏みとどまっている」のだと言い返してやりたい。
逆に高校卒業と共に結婚、出産し、今や3児の母として奮闘する友人も、結婚当初は「まだ早い」「もう少し将来を考えて」と言われていたけれど、家庭という居場所を早々に見つけた彼女は幸せそうだ。
打って変わって、専門分野への道へ進み、着々と昇進する別の友人は「お金は使うもの」と、パートナーこそいないが、食べたいものを食べ、買いたいものを買い、楽しそうに毎日やっている。
自分の選択と努力次第で、年齢性別問わずどんな生活だって送れる。
それが、今の時代だ。
男は社会へ、女は家庭へ。
そんな時代は終わったのだ。
髪を伸ばすか、短くするかのように、結婚するかしないかは自身の選択の上にあるのだと。
今が“いい歳”かそうでないかは、自分が決めるのだと。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
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