かがみよかがみでは、「いつもと違う休日」をテーマにエッセイを募集しました。たくさんのご応募の中から、編集部が一番心に響いたエッセイを「かがみすと賞」として選ばせていただきました。

今回は、かがみすと賞1本、編集部選として2本のエッセイをご紹介いたします。

◆かがみすと賞

誰かのためじゃなく自分のためにメイクするのは、私の休息時間(サヨコ)

あらすじ:メイクは人と会うから嫌でもするもの。だからコロナで煩わしさから解放された気分だった。だけどふと「どうせ捨てるなら」と派手なメイクをしてみたら、初めて「楽しい」と思った。そして振り返ってみると…

◆担当編集者からのコメント

私もコロナが拡大してから、自宅での仕事ばかりでメイクをする機会が格段に減ったので、メイク道具…使っていないなと、自分のことのように思い読ませていただきました。

「あれ?意外と私、いい感じ……?メイクって、面白いかも」と、誰もいない家の中で、ふと鏡や窓ガラスを見ると、ど派手で血色のいい私が映っており、思わず笑う。誰も見ないし、何の意味もないはずなのに。なんか楽しい。あ、これっていい気分転換になるかも。メイクっていいなと、生まれて初めて思った瞬間だった。

特にこの部分は、すごく共感しました。メイクをする機会が減ってきてるけど、たまにメイクをしたり、髪を巻いたりするだけで、気分がぐっと明るくなることってありますよね。誰かのためや身だしなみのためのメイクは億劫なときがあっても、自分のためのメイクは、自分自身を大切にできているような感覚になれる。思わず、久しぶりにメイクしてみようかなっと感じてしまう、素敵なエッセイでした。

◆次点①

私を好きだった男子がいる会社の電子レンジを選んでみたら(まつきゆり)

あらすじ:初めてひとりで向かった家電量販店。震える声で選んだ高価な洗濯機。ドライヤーは風が強くて安いもの。そして電子レンジ売り場で思い出したのは、昔私を好きだといってくれた男の子のことだった。

◆担当編集者からのコメント

目移りするような多くの家電製品を見て、気持ちが変遷していく様は、とても微笑ましく、思わず笑ってしまうようなエピソードも含まれ、そして身近なテーマで、共感できるものでした! 家電量販店での場面は軽妙なトーンで描かれていますが、終盤のメッセージや決意は、至極真面目な内容でもあり、流れは自然で説得力はあるものの、その(良い意味での)落差にうなりました。「こういう着地点があるとは!」と目からウロコでした。

◆次点②

いつもと違う休日が好きな旦那へ。「いつもと同じ」休日も愛してほしい(いくら)

あらすじ:「いつもと違う休日」が昔は楽しかった。けれど子どもがいる今は「いつもと同じ」ことがどれだけ大切かが身に染みている。「同じ」でも工夫すれば特別な日にもできるって、あなたにも分かって欲しいな。

◆担当編集者からのコメント

「いつもの」と「特別」な休日。それぞれに価値があり、どちらを楽しみに平日を乗り切るのか夫婦の価値観の違いを、一方的に責めることなく感謝を述べたうえで「お願い」という形で伝えるいつもながら見事な構成、気持ちよく読ませていただきました。

「でも、私にとっては、パートナーであるあなたが、何かを『いつも』してくれているということが、特段嬉しいのです」

「私は主婦だから、家族の『いつもと違う』に対処して、『いつもと同じ』を守っています」

こういった表現に、潜在的に感じていたけれど言語化できていなかった願いを代弁していただいたような気がしました。表に出ていなかった思いに風をあててもらえた気がします。多くの方に届いてほしいエッセイです。

以上、「いつもと違う休日」のかがみすと賞、編集部選の発表でした!たくさんの素敵なご投稿を、本当にありがとうございました。
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