慣れ親しんだ大阪を離れ、友達のいない東京での暮らしを始めて1年が経った。
"時代のせい"と言い訳をしながら過ごしていると、あっという間に時間は経ち、結局出来た友達はお店にやってくるお客さんと年の離れた大学生ぐらいだ。

友達とはいえ、職場で毎日顔を合わせるもんだから、特に休日に遊ぶわけでもなく、大体のお休みは1人で過ごしている。
以前までは1人の時間は全て無駄!とすら思えたけれど、1人は1人でなかなかいいものだ、と思えるようになった。

私の休日のルーティンは、そのときの自分の心が決める

私の休日の過ごし方は大抵決まっている。
まず7時に起床。
カーテンと窓を全開にして、日の光を取り入れる。
洗濯や掃除をいつもより丁寧にして、家族や友人に手紙を書いたり、少しばかり勉強をする。

平日が休みの仕事の為、ラッシュを避けるべく9時を過ぎたぐらいに家を出る。
そこから自分と相談しながらその日の1日の過ごし方を決める。
まず、家を出て右に行くか左に行くか。
最寄駅はふたつ。
どちらの駅を使うかによって、行き先が全く変わってくる。

そしてまた駅に着けば、都会に近づくのか長閑な街に近づくのか自分と相談する。
ただ気の向くままその時の自分の心が言う通りに進んでいく。
そしてたどり着いた駅を散歩しながら、ゆっくりコーヒーを飲んで、またひたすら歩き続けて、夕方ごろに帰宅する。
家に帰ると、映画を読んだり、日頃できない体のケアをしたりして、翌日のために早めに就寝する。

1人だからこそできることは、案外たくさんある

こんな1日を誰かと一緒にするのも悪くない。
けれど、1人で過ごすからこそ自分を癒す時間になるのだ。
例えば、朝起きて、誰かと待ち合わせしていると、もう少しで洗濯が終わるのに、もう少しで手紙を書き終わるのに、予定に間に合うために中断して出なくちゃならなかったりする。
けれど、1人だと5分10分遅れたところで特に問題はない。

今日出したかった手紙を投函してから散歩に出ることが出来る。
たとえば、桜の木の下でボーッとするのが気持ちよくて、あと1時間こうしてたいな、なんて思っていても、相手がソワソワし出したり、あくびをし出したりすると、
「じゃあ次行こっか?」
と、切り上げなければならない。

たとえば、家に帰って涙涙の洋画を見たい気分だったとして、相手が日本のラブコメを見たいと言い出せば、結局どちらかが気を遣うことになる。
そんな風に人といるとやむを得ず気を遣う場面がたくさん出てきてしまう。

それだけではない。
1人だと、1人でしかできない気づきや出会いがあったりする。
散歩をしていて、いつも通り過ぎる家の前に、犬小屋が増えていて、「新しい家族ができたんだな」とほっこりしたり、いつもより風の音が強かったり、そんな発見も、隣で友達が仕事の愚痴を言っていたり、恋バナで盛り上がっていると気付くことが出来ない。

カフェでぼーっとしていると、たまたま故郷の店員さんと話が盛り上がって、懐かしさと嬉しさでいっぱいになって帰る。
そんな体験だって出来ない。

1日自分の心の声を聞いてあげるおかげで、体が疲れていたんだ!とか、実は心に優しさが欲しいんだ!とか、忙しいとなあなあにしてしまう、自分自身のケアもきっちり行うことが出来る。

「休日は大体1人で過ごしています」
そういうと、
「寂しくないの?」
「友達は?彼氏は?」
なんて聞かれるけれど、1人で過ごす休日もなかなか悪くないよ、と教えてあげたい。