貴方は一人でいることにどんな印象を持つだろうか?
寂しそう。素敵。やってみたい。私にはハードルが高いなど色々あるだろう。
一人でいる時。
沢山考える。良いことも悪いことも。
好き。嫌い。感性が敏感になる。

大学3年の頃、大人の女への憧れと共に一人遊びを覚えた

コロナで世間が一変する少し前、3年前の大学3年の頃、私は社会に出る前に背伸びをして、大人の女たるものへの憧れと共に一人遊びを覚えた。
ここで言う一人遊びとは、一人映画、一人カフェ、一人カラオケ、一人美術館、一人LIVE、一人旅などだ。
どれも、誰かと行く時よりも少し緊張した気持ちを連れていく。
街の空気、不意に現れたシャッターが閉まったお店を眺め、沢山思い出したり、沢山想像した。過去のこと。未来のこと。
今回は一人旅のことをクローズアップしてみようと思う。

今から2年半前、大学4年生の夏。『伊豆踊子』の聖地へ一人旅をした。
それまでは映画やカラオケ・ランチには一人で行ったことは多々あったが、旅行は初めてだった。
ところで、なぜ私が伊豆への一人旅に行くことになったのかということだが、3年生の時からゼミで『伊豆踊子』の研究に励み、卒業論文の題材も『伊豆踊子』にしようと思っていたために、一回は聖地巡礼でもしておくかという理由からだった。
また、社会人になる前に一人旅をした経験があるとカッコいいかもしれないという、ちょっとした見栄にも駆り立てられてどんどん計画を進めた。

ルートは埼玉県から修禅寺温泉を通り、静岡県の下田まで。
当時は免許を持っていなかった為、交通手段は強制的に全て公共交通機関になった。
旧天城トンネル、河津七滝、修善寺温泉。
トンネルは実際に通ってみると長くて暗く、滝は想像以上に大きかった。
道中、バスの車内は平日のお昼ということもあり、疎らに人がいるだけだった。

自分で決めて気ままに動くことで、少しだけ大人に近づけた気がする

旅には想定外がつきものというが、今回の旅でもそれを経験した。
乗り遅れそうになって汗だくになるまでダッシュをしたり、想像以上の草木が生い茂った険しい道を歩いたり、道が遠かったり。
日が暮れそうな中、少し焦った場面もあった。

しかし、感動した場面もその分大きかった。
どうしても行きたかったトンネルにたどり着き、中をくぐった瞬間は達成感が身体中を覆った。
川の辺でこれからの未来を考えた。
少し不安な気持ちと沢山の希望が交差する中、進む勇気をもらった。

また、この旅の中で温かな気持ちも沢山感じることができた。
例えば、「お疲れ様です。お夜食にお召し上がりください」という一言が添えられたおにぎりが置いてあり、手が込んだ朝の料理に旅館の人の温かさを感じた。旅館周辺のライトアップに心が和んだ。

一人だけでどこかに泊まるという経験も初めてだった。主要な行先だけを決めて始めた旅。
大それたことをやり遂げたわけじゃないけど、自分であれこれ決めて気ままに動くことで、少しだけ大人に近づけた気がした。
また、自分のことが見つめ直せて、好きになることができた。今でもこの経験が心に残っている。
世の中が落ち着き、時間ができたら、また一人旅に挑戦しようと思う。
私は、一人で行動することは人に勧めたいくらい価値のあることだと思っている。

コロナ禍で窮屈な毎日、自分にわがままに素直になってもいいじゃない

そうは言っても最初は抵抗があるかもしれない。
周りにどう思われるか?
めんどくさい。
気が引ける。
恥ずかしい。
私も、そんな気持ちがあった。
でも、続けていくうちに、一人で想いのままに過ごす時間は、自分を好きになることにも繋がるかもしれないと思うようになった。
最近は、コロナ禍で会いたい人に会えない。大人数での会食はダメ。なるべく近場でと制限が多くなり、少し窮屈な気持ちになってしまうこともあるだろう。
そんな時こそ、一人旅には行けなくとも、休日に一人で街を歩いてみるとか、映画に行ってみるとか、一人で過ごす時間にときめきを与えてみるのはどうだろう?

おひとりさま歴3年目になった今、一人で過ごす時間は悪くない。
むしろ、豊かに魅力的にさせてくれる手段なのかもしれないと感じている。
こんな時くらい自分にわがままに、素直になってもいいじゃないか。
貴方も、この機会に「おひとりさまデビュー」はいかがですか?