私はHSP、いわゆる"繊細さん"。
メディアで取り上げられてはいるけれど、まだまだ世の中の認知度は低いように思える。
私の身の回りでも「HSPってIT用語か何か?」「"繊細さん"って誰?」という感じで、理解している人はあまりいない。
他のかがみすとのエッセイを読んでいる中で、"繊細さん"仲間がいると知った。
その人によってHSPの傾向は違うものの、共感できる点は多いし、エッセイの中に前向きな言葉があると自分も頑張ろうという気持ちになれる。
ここまでなぜ"繊細さん"について書いているかというと、私が今抱えている悩みと大きく関係しているから。
規則正しい生活をしてきた私の体に異変。睡眠の質が下がっていく
夜中に何度も目が覚める。
それを周りの人たちに話すと「おばあちゃんみたいだね」と笑われる。
本当のことは言えず、私も一緒になって笑う。
早寝早起き。
小学生の頃からの私のルーティン。
休日も同じように過ごしている。
そんな規則正しい生活をしてきたのに、今年の3月頃から私の体に異変が起きはじめた。
持病である過敏性腸症候群(IBS)の悪化。
それとは別に胃炎の診断。
食事をあまり摂れなくなった。
ここまででも私にとってはつらい。
でも、一番困っているのは、睡眠の質がかなり下がっていること。
トイレに行きたくなったわけでもないのに、夜中に目が覚める。
仕事の夢を見てはうなされて飛び起きると、心臓がバクバクしている。
そんなことをここ数ヵ月、毎日のように繰り返している。
日中も頭がボーッとしてしまい、仕事に集中できずにミスが増えていた。
少し前に帰省したときに、夢と現実が混同して母に心配されたことがある。
大丈夫?と母に聞かれ、感じた限界。心と体が休まらない睡眠時間
私はその日、仕事の疲れから昼寝をしていた。
すると眠っていた私が母に突然、「早く仕事しなきゃ!さっき業務のメール送ってくれたよね?」と言い出したという。
今までこんなことはなかったので、「今日はお休みだから違うよ」と答えながら母はとても困惑したそうだ。
私は全く覚えていなかったので、母からその話を聞いてとても驚いた。
「大丈夫?」と母に言われたとき、私は「ああ、もう限界かもしれない」と思った。
夜に眠るのは心と体を休めるため。
毎日寝ているにも関わらず、私にはそれができていなかった。
欠勤や遅刻をする日も出てきてしまい、涙が溢れてきたり、生きているのがつらいと思ったりするようになった。
このままでは大変なことになるかもしれない。
出向先を降りようと考えた。
でも、私はすぐに自分の意思を会社に伝えられなかった。
会社に迷惑をかけたくない。
転職して期待されているのだから頑張らなきゃ。
そんな思いからなかなか言い出せなかった。
「○○だったらどうしよう」と深読み・先読みしすぎる。
空気を読みすぎて自分の気持ちを表に出せない。
自分よりも周りのことを優先してしまう。
繊細さんであるからこそ、自分の思いを伝えることの大切さを知った
自分が"繊細さん"であるおかげで、今まで評価されることは多かった。
「犬屋敷さんは大人しいけど、きちんと周りのことを考えて行動できる人だね」
「他人を思いやれる優しい人だね」
そう言われることが嬉しかった。
自分には他の人にはない能力があるような気がして、"繊細さん"でよかったと思うこともあった。
でも、私はとても苦しんでいる。
このまま周りのことを気にしていては何も変わらない。
自分がどんどん追い込まれて、いつか壊れてしまう。
私は安心して眠れる夜を過ごしたい。
だから私は誰かの為ではなく、自分のために行動した。
会社にはっきり自分の意思を伝えた。
会社は私の体調を気遣ってくれただけでなく、すぐに動いてくれた。
そして、私は出向先を降りられることになった。
自分さえ我慢すれば。
仕事だけでなく、昔からそんな考え方をして生きてきた。
でも、それは間違っていると気づいた。
ときには我慢することは必要かもしれないけれど、心身が壊れるくらいになるまで守るものなんてないと思う。
それよりも、自分の思っていることをきちんと伝えて前に進むことが大切。
今回、私は"繊細さん"であるからこそ、そう学ぶことができた。
これを機に、もっと自分に正直になろうと思う。