日常のあらゆることで傷ついてしまう私はHSPという気質らしい

私は日常のありとあらゆることで、敏感に傷ついたり落ち込んだりしてしまう。
どうやらこれはHSPという気質らしいと知った。
HSPとは『生まれつき繊細な気質を持った人』のことで5人に1人は存在するらしい。

例えば私の場合、会社で誰かが怒られている時、自分が怒られているわけじゃないのに過度に緊張したり気分が落ち込んでしまう。
隣にいる上司から聞こえて来るため息、いつもより強く音が鳴るキーボード。
そんなことが凄く気になって疲弊してしまう。

特に皆が忙しくなる月末なんか、社内のピリつきを感じてしまって大変である。会社がブラックな訳でもないし、人間関係が悪い訳でもない。
直属の上司は優しいし、困った事があれば手を差し伸べてくれる人もいる。
後輩はとてもいい子で、頼りない私と一緒に頑張ってくれている。

どこの会社にだって疲れてため息を吐く人はいるし、仕事の小さなイライラでキーボードを強く打ってしまう人もいるだろう。そして月末はきっと忙しい。
私が必要以上にマイナスな空気を感じとって、勝手に疲れてしまうのだ。

ネガティブ思考を変えようと色々試したけど、上手くいかなかった

私は人から言われた言葉を真っ直ぐ受け取れず、ネガティブな方向に考えすぎたりもする。
例えば最近、美容師さんに言われた「前髪がとっても似合いますね」という一言。
ただの褒め言葉だ。

それなのに私は、前髪が似合うイコール前髪がないのは似合わない。顔が良くないから少しでも隠さないとだめなんだと勝手に変換してしまう。

このことを家族に話したら、「本当にひねくれてる!面倒くさい!どうして褒めてくれたのに素直に受け入れないの?」と呆れられてしまった。
もちろんその場では、「褒めてくれてるんだから受け止めるべき。ここでそんなことないです!と否定するのは面倒くさい人だ」と分かっているから、「本当ですか?ありがとうございます~」と返す。正しいであろう反応は出来るのだけど、心の中では全く喜べず、むしろ落ち込んでしまうのだった。

このネガティブな思考を、とにかく変えなければ!と思った時期があった。ポジティブになりたくて、自己啓発系の本を読み漁った。マインドコントロールをして、何があってもプラスに受け取る、というものが大半だった。

実行しても上手くはいかなかった。
最初は調子が良くても、ふとネガティブな思考が出てきた時に、「ああ、またダメだった……。どうしてこんな風に考えてしまうのだろう」と自分を責めて、さらに落ち込んでしまうのだった。

私は傷ついたって疲れたって大丈夫。繊細な自分のままで生きていく

無理に自分を変えようとすると、バランスをとれなくなり、かえって調子を崩してしまう。
繊細でいることでバランスをとっていたんだと知った。
日々感じとるものに嘘はつけない。だって、嬉しいことは嬉しいし、同じ様に、悲しいことは悲しいのだ。なかった事にして感じている心を騙すなんて、それは私じゃない誰かが生きている様なものだった。

繊細な自分は変われないけど、落ち込んだ気分を和らげてくれるものは、もう知っている。
アロマを炊いてあったかい紅茶を飲むとか、ネイルのケアを丁寧にするとか、欲しかった化粧品を買ってみるとか。
そんな小さな事で癒されたり、びっくりするほど回復したりするのも繊細な自分であるからだ。

だから私は傷ついたって疲れたって、大丈夫だと思うようにしている。
もし自分だけでは回復出来ない事があったとしたら、身近な人に助けを求めてもいいし、専門の人に相談することもできる。

仮に仕事が出来なくなってしまったとしても、社会のさまざまなセーフティネットを活用すればいい。
世の中にはいざという時に助けてくれるあらゆる方法があるはずだから。

今日も相変わらず誰かの言葉で簡単に傷ついたり、凄く救われたりしている。
傷ついてもきっと大丈夫。繊細な自分のままで、生きていこうと思っている。