「やる気が出ない時、どうしてますか?」
この質問を最近よく聞く。ストイックな芸能人がインタビューで聞かれていたり、流行りのYouTuberも質問コーナーとかでよく話したりしているのを見かける。
その度に私は思う。
「常にやる気がない人(私)もいるぞ」と。
常にやる気がなく働いている社会人2年目、23歳、女の話を、今回はしていこうと思う。

◎          ◎

社会人1年目の私は、とにかくがむしゃらに働いていた。何も見通しが持てず、「これでいいのか?」とよく分からないまま。保育士である私は、家に書類を持ち帰り、休日も子どもたちのことで頭がいっぱいの日々を送っていた。
そんな新人だったが、半年くらい経った頃、意気消沈。疲れが全く取れず身体の危機を感じて思った。「頑張りすぎても意味がない」と。
それからのテーマは『ほどほどにやる』だった。
何事もほどほどにやって切りをつける。やりたかった仕事が終わらなくても、「まあいっか」と諦めることも大事だと学んだ。そう思ったら気が楽になって、がむしゃらに働く私とは永遠にさようならをしようと決めて働いていた。

そんなある日、職場の先輩同士が話をしているのが耳に入った。私の話である。
「〇〇先生ね〜。もうちょっと頑張れって感じだよね」「でも私は好きだな〜!」などと話をした最後、「まあ、やる気と元気があれば大丈夫よね!」と。
え、なにそれ???
考えたことはなかったが、私にはやる気というものがあるのか。正直、無いと思った。
その日は先輩の言葉で頭がいっぱいになった。
「やる気ってなに?」
「やる気、あるのかなあ」
悶々と考えた。

◎          ◎

あれこれ考えているうちに数日が経ち、仲の良い職場の先輩と食事に行くことになった。
すごくキビキビ働いていて、頼れる先輩だった。どんな話ができるかと、とても楽しみにしていたが、その先輩から思わぬ言葉が出たのだった。
「私もやめたいってよく思うよ(笑)」
衝撃だった。「えー、みんなこんなもんなのか」と思った。この先輩もこんなこと思うんだ。
まさかキラキラ楽しく働いているようにみえる先輩がこう思ってるなんて、知らなかった。みんな、見せてないだけなんだと気付いた。
やる気がなくても、やる気があるように見せればいいのか。生きるためには働かなくちゃいけない、そのためにはやる気があるように振る舞うことも必要だと学んだ。

私にはやっぱりやる気がない。素敵な先生になりたいとも思っているが、身を削って、心身共に病むまで仕事に打ち込む必要はないと思うし、休みはやはり休んでリフレッシュしたい。私が辞めたって、私の代わりは誰でもいる。
ただ、私には生きていくためのお金が必要で、その手段が今は保育士という仕事である。

やる気、難しい。私にだって、「ちょっと頑張れそう」「こんなことやってみたい」とやる気がある日もある。が、それが毎日ではない。
やる気がない私も私で良い。やる気が無くたって毎日起きただけで偉い。
そう思って、明日も働くことにする。