特集:邪魔されたくない時間

謎解き、伏線の回収。現実を忘れミステリーの虚構に集中する喜び

邪魔されたくない時間

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刺殺、絞殺、薬殺。
密室、アリバイ、変死体。
探偵が颯爽と現れて謎解きしていく。
私の邪魔されたくない時間は、推理小説を読んでいるとき。何重にも重なったトリックが最後の最後で紐解かれていく瞬間。

◎          ◎

本を読むのが昔から好きだった。そんな中ハマったのはミステリー。
小学5年生のとき出会った「セーラー服と機関銃」が始まりだ。そこからどんどんのめりこんでいった。
事件が起こる、探偵が解決する。言ってしまえば、これの繰り返し。
けれど、どれだけ読んでも飽きることはなかった。

大人になってからも変わらずに読んでいた。
もちろん学生の頃と比べて読める時間は格段に減った。どうしようかと思っていたら、ふと、通勤時間に時間がかかることに思い至った。それから読書は電車でするようになった。
今日は密室殺人。
昨日は時刻表トリック。
明日は死体消失。
電車の中の1時間半。色々な謎を読んで、色々な探偵に出会い、色々な解決に驚く。
読み切れることはほとんどない。だから中途半端なまま出社する。
電車に乗り続けるのはイヤなのに、小説を読んでしまえば、このまま電車が止まらなければいいのにと思ってしまう。

◎          ◎

ミステリーの面白いところ。私は謎解きの瞬間が一番好きだ。
解決までにこんがらがったたくさんの情報が探偵によって紐解かれていく。
一見いらないようなくだらない会話。ゴミだと思っていた落とし物。勘違いだと一蹴される目撃情報。こんな小さなものたちが、小説の中で違和感無く描写されている。
これらは小さく、けれどはっきりとその存在をアピールしている。

最近気づいたこと。小説は2回読んでも面白いってこと。
2回目は、1回目に気づけなかった伏線を自分でゆっくり回収していく。あの時のあれが!とか、この時のあの人が!とか。文章の構成にも目を向けられるようになった。まだまだ未熟だから1回目はただただ小説を楽しんでしまうけれど。

ミステリーを読んでると、その謎だけに集中できる。他のことは考えなくてよくなる。
仕事のこと、家族のこと、友達のこと。いつも考えなきゃいけない、些細で、くだらなくて、大事なこと。こんなことはミステリーの前では大した問題じゃなくなる。
現実逃避って言ったらそれまでだけど、ミステリーは物語の中に、物語の謎に引き込んでくれる。

事件が起こる。
謎が出てくる。
探偵が解決する。
これの繰り返し。

ミステリーは数学の問題を解くのに似ていると思う。
ただひとつの答えがあるところとか、答えがわかったときに頭がスッキリするところとかも。

◎          ◎

ミステリーを読む電車の時間。ひたすら謎に引き込まれる時間。この時だけは現実を忘れて虚構の謎に集中できる。
この先にはあっと驚く結末がきっと待ってる。そんな期待をしながらどんどんページをめくっていく。謎を読む、証拠をつかむ、答えを知る。登場人物と一緒に謎を追いかける時間。答えを知りたくて焦る時間。
この時間は私が邪魔されたくない大切な時間。

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