新型コロナウイルスというものが大流行し、全世界を混乱させた頃から、私の人生はまるでジェットコースターのように、急上昇と急降下の繰り返しだった。
大恋愛の始まり、浮気、就活、大学卒業、就職、3年間付き合って結婚する予定が消滅、二股をかけられて「俺の子どもを産みたいと言ってくれる彼女を選んだ」と言われてフラれる。
そして私はいま、4年ぶりにフリー。
20代前半、まだ人生これからという年齢で、恋愛に関して言えば、生意気に聞こえてしまうのかもしれないけれど、もう一通り経験しまくった気がする。

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友達以上恋人未満の名もない関係性。性的関係は全くない男女の最強の友情。
「次いつ会う?」と週1回のデートの調整が面倒にならないうちは幸せな恋人関係。
「将来考えるとか恋愛に疲れた、楽しいことだけしようよ」という、歪んだ2人の男女が結ぶセックスフレンドの関係。
付き合っている人がいるのに、他の人と一線を越えたこと。浮気。
浮気相手とは幸せにはなれないと知った。
付き合っている人と別れた次の日に、新しい彼氏を作ったこと。
私と付き合っているのに、ある元彼氏は、他の女と体を重ねてデートしていたこと。
「この人となら結婚できるかも」と思って、両家の両親さえ巻き込んで、婚約までして、結婚しなかったこと。ちなみに国際恋愛&遠距離恋愛の相手だったその彼は、次はフィリピンに住むフィリピン人の女の子と付き合っているらしい。
「友達かも?」で表示されたその女の子のFacebookページを開くと、砂浜で手を繋ぐ2人の後ろ姿の写真が。Happy 2monthsと書かれたケーキの写真が。3年も付き合ったから、後ろ姿だけでどの男性なのかくらいすぐに気がついた。
あの人の初めては私だったから、一途な男性だったから、すぐに彼女なんて出来ないだろうと思っていた矢先、「やるじゃん」と思った。
まあ、その私もすぐに次の彼氏ができて、ある程度長く付き合ったけれど、別れてしまった。恋愛ってそういうものだ。
結婚はしかけたけれど、あと私が経験していないのは、結婚と不倫くらい。
正直、浮気と不倫だけは、されたくもないし、したくもない。

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結婚しかけたことがあって、セフレ経験もあって、浮気もしたことがある。
なんとワケありな女性に私は、いつの間にかなってしまった。
私は一途にたった一人の男性だけを愛していけるのかな、とも思う。
まだ見ぬ何かに期待を寄せて、舞い上がって好きになることはもうないと思うし、恋愛や結婚への憧れは弱くなったのではなく、「難しいなぁ儚いなぁ」と恋愛と結婚の本質を見つめた上で、「まぁ恋愛しなくても、結婚しなくても、幸せでいられる気がする」という根拠のない自信を持ちながら、毎日を過ごしている。
もちろん、だれか1人をまた心から愛して、一緒にいたいと思って、お互い支えあって人生を過ごそうと思えたらそれも素敵だけれど、ありのままでいることを、どんな自分だって私なんだと受け入れることを、私はここ数年間の恋愛から学んだ。

過去の恋愛遍歴を隠したって、誰も得はしない。
しばらくだれかと付き合うことは面倒だなぁと思いつつ、久しぶりに誕生した私の新しいセフレくんには、洗面所だけ明かりがついた薄暗いホテルの部屋で、過去数年間の恋愛遍歴をすべて打ち明けてしまった。
一緒に笑い、「かおりんは優しくて寛大な人だね」と言われながら、「彼氏がいないならセフレがいていいんだよ」と包み込んでくれる。
肩の荷が下りた感覚がした。

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知り合いの紹介で出会った、まだ大学生の男友達には、夜電話しながら、「今まで何人付き合っていたの?」と質問されたから、正直に「大学生からカウントする?それだったら3人だね。半年と、3年間と、9か月」と素直に答えた。
数を盛ろうとも、減らそうとも思わなかったし、3人という数字が多いとも少ないとも思わない。
3年間も付き合って別れたことで、人生の夏休みともいわれる大学生活の時間を無駄にしたとも思わない。

素直さが私の取り柄に追加されたんだ。
私の心のゆくままに、生きたら、最高じゃん。