今の旦那と結婚するまで、約4年半の間、私たちは日本とアメリカの遠距離恋愛をしていた。
しかも、遠距離だけでなく、14時間の時差もあった。
コロナが流行ってからは、お互い行き来することが容易ではなくなり、1年に1回でさえ会えるかどうか際どかった。
会えたとしても、長くて1週間。
会ってしまえば、一瞬で楽しい二人だけのひと時も過ぎてしまった。
そして、私がアメリカへ移住するためのビザを申請して受理されるまでに、パンデミックや大統領選の影響もあって1年以上もかかってしまったのだ。
この1年が、とてもとても長く、私たちのひとつ目の試練だった。

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彼と出会った頃は、もともと遠距離恋愛などする気もなかったし、実際に結婚するまでこの関係が続くとは、自分自身思ってもみなかった。
わがままな私を、いつも冷静に、客観的に広い器で受け入れてくれた彼のおかげだ。
どんな時も彼は私の味方で、一番に私の意思を優先してくれていた。

私がこの遠距離恋愛している期間に学んだことは、「相手を信じ抜く」ということだった。
遠距離恋愛で大事なことは、相手と会う機会を増やすことでもなく(会える回数が増えることに越したことはないが)、言いたいことを言い合うことでもなく、時差を考慮して連絡を取り合うことでもなく、「どんな時も相手を信じ抜き、相手の一番の味方でいること」だということを身をもって学んだ。
そして、その「信じ抜くこと」こそが、お互い独りの時間を充実させ、今やるべきことに集中できた。

休みの日、街を歩く幸せそうなカップルをみては、唇を噛みしめた。
「私だって、休みの日くらい、彼と一緒に手を繋いでデートしたいのに……」と。
夜、ベットの中で一人寂しく涙を流すこともあった。
「隣でハグしてくれる彼がいたら、どんなに幸せなことか……」と。
独りの時間があれば、彼のことを想い、彼との明るい未来図を心に描き、それをパワーにして仕事も頑張れていた。
そんな孤独な恋している時間が、私を強く、たくましく成長させてくれた。

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今もその名残からか、お互い個々の楽しむ時間も大切に過ごせている。
同じ空間にいながらも、それぞれやりたいことをやっていたり。
共通の趣味であるランニングも、同じペースで走る時もあれば、各々のペースでバラバラに走ることもある。

ただ、どんな時も、「相手を信じている」からこそ、「同じところに戻ってくる!」という安心感から、好きなことを好きなようにできている。
これが、大学生のままの私だったら、彼に依存して「いつも一緒じゃなきゃヤダ!」って思っていたかもしれないが……。
相手を信じて待つことも、相手に信じてもらって待ってもらうことも、自分自身がブレないことと忍耐力が必要だ。
「相手を信じ抜くこと」の大切さは、この遠距離恋愛を通して、世界一尊敬する彼から教わったことだ。
これからの将来も、彼と手を取り合って、支え合って、鼓舞し合って、自分たちの手で創っていくのだ。
いつまでも変わらない愛と信頼をずっと胸に。