" As long as you choose me, I'll give you all my love." 君が僕のことを選び続ける限り、僕の全ての愛を君に捧げるよ。
フィリピンの小さな島で出会った日本人の彼が、私宛の手紙に綴った言葉。
私が語学学校を卒業する2週間前に、彼は入学してきた。彼は誰とでもフランクに話す人で、初日から彼の周りには笑い声が溢れていた。私はそんな彼が羨ましくて、少し苦手だった。

最初は苦手だった彼の魅力に惹かれる私。彼はアラジンみたいだった

友達と食堂でお昼を食べていた時、突然彼が私の元に来て「今夜みんなで飲みに行くんだけど、行かない?」と誘ってきた。男の子と話すのも、大人数で食事をするのも苦手な私は、その誘いを断った。
しかし彼は何度も私を誘い、私の友達が一緒なら…….と言って結局行くことになった。ペットボトルの蓋を開けて水を渡してきたり、全然楽しんでない私の隣に座ってきたり。最初はこの人何がしたいんだろうと思ってたけど、会話を重ねていくうちに彼の魅力に惹かれていく自分がいた。

辛いことがあった日の夜、私は寮の屋上にいた。「今、屋上で星見てる」と彼にラインを送ると、すぐに会いに来てくれた。少し期待してたから嬉しかった。彼には言わなかったけど。

それから毎晩のように屋上で会って、ピザを食べたり、好きな音楽を流して歌ったり、月を眺めたり、色んな話をした。私達にとって、誰にも邪魔をされないその夜の屋上の時間は特別なものだった。

将来の話をする彼はキラキラして見えて、私をあの国に連れていって、色んな世界を見してあげるとよく言っていた。私の知らないことをたくさん教えてくれて、大きな夢があって、誰も一人にしない優しさを持っていて、私にとって彼はアラジンだった。

人生で初めて感じた運命。この先ずっと彼と人生を歩んでいくはず

いつものように屋上で話している時、告白された。私が応えたら、強すぎるくらいの力で抱きしめてくれて、全身で喜びを伝えてくれた。
嬉しかった。すごく嬉しかったし、幸せだった。
そして私はその時初めて、運命というものを感じた。付き合う少し前から、私はこの先ずっと彼と一緒に人生を歩んでいくと、心のどこかで確信していたから。

恋人同士になってからの日常は、今まで以上の愛で包まれていた。語学学校卒業後、私はメルボルン、彼はサンフランシスコへ行き国際遠距離恋愛が始まる。彼は卒業するまでのその恋人としての1週間、その短すぎる時間を、私が寂しくならないようにと、最高の思い出で埋め尽くしてくれた。

でも遠距離恋愛は私が想像していた以上にしんどかった。
時差がある中での電話、高い航空券、彼に触れていないと自分の好きという気持ちが何度も分からなくなった。街中のカップルを見ては、嫉妬した。

彼は電話越しに泣きじゃくる私を、いつも大きな愛で安心させてくれた。出来ないことは約束しない彼。離れていても出来る限りのことで、愛を伝えてくれた。花を送ってくれたり、必ず次に会う日程を決めてチケットを取ってくれたり。何か二人の間でトラブルがあっても、いつも彼が解決策を見つけ出してくれた。

関係が不安と伝えたけど、引き留めてくれると信じていた彼の返事は…

そのおかげで、次に会うまでに成長していようと、ポジティブな気持ちになれた。私はそんな彼に頼りすぎていた。
遠距離恋愛も慣れてきて、付き合って2年が経とうとしていた時、私の就職活動が本格的に始まった。彼との将来を考えて、世界中どこにいても仕事ができるようにしたいと、ピラティスのインストラクターとして働くことを決意した。資格も経験もないが、最初の2,3年は日本で働き、その後独立しようと考えていた。

彼も私の夢を一番に応援してくれて、人生を一緒にアレンジしたいと言ってくれていた。私が日本の会社にいる間、長期間でアメリカに行くことができなくなるけど、私は彼となら絶対大丈夫だと思っていた。けど彼は違った。

コロナやビザの関係で会えない期間が長くなり、気持ちにズレが見え始めてきた。それでも何とか持ち堪えてきたけど、限界が近づいているのをお互い感じていた。
ある時、私が遠距離恋愛にかかるお金が負担になり、この関係を続けられるか不安だと伝えた。彼は私の気持ちは良く分かるよと言った後、お互いのために別れた方がいいと思うと言った。

私はいつものように彼が引き留めてくれると信じていた。嗚咽が出るほど泣いた。まさか彼がそんなこと言うはずないと思っていた。彼にとって、今は夢を追いかけることが一番だった。

いつか必ず、彼が手紙に書いてくれた言葉に返事ができますように

私が答えを出せなかったから、次の日また電話しようとなった。なかなか会えない彼女との関係を保ちながら、自分のやるべき事に集中するのは難しいってこと、散々泣いた後彼の気持ちがやっと理解できた。

彼をこれ以上困らせちゃいけないと思い、嬉しいことがあった時以外泣かないと決めた。彼とテレビ電話をして、私の思いを全て話した。
久しぶりに見た彼はかっこよかった。まだ大好きだから、これからも夢を応援させてと伝えた。それでも彼の気持ちは強く固まっていて、やっぱり別れたいと言われた。そして彼は続けてこう言った。
「泣かないで偉いね。3,4年後お互いが成長して、パートナーがいなかったらまた恋愛しよ。俺も頑張るし、頑張ってる姿見とくから。」と。

屋上での夜があったから、彼と出会えて恋愛ができた。そして、別れ話をした日の夜があったから、また彼に惚れられるように自分を磨き続けようと前進できている。今すぐには無理でも、いつかまた必ず。
So I say, "No matter how much time goes by,I choose you."――どんなに時が経っても、あなたのことを選び続けます。