最近、会ったこともない人たちと毎週オンラインで話している。
皆でZINEを作るためだ。
色んな悩みや葛藤を抱え、それぞれそれを素直に表現したい、そしてより良く生きるとは何かを追求したい、という気持ちで集まった人達だ。
私は会ったことも無い画面上のその人達の言葉に頷き、よく聞き、よく考え、素晴らしいインスピレーションを受けている。
会ったこともない彼らを好きだし、これからも大切にしていきたい仲間だ。

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元々、このZINEの編集長とはInstagramを通じて出会った。
私の知る限り、一番変わっていて、一番かっこよくて、一番輝いている大人だった。
ひとまわりも下の私と対等になって、ああでもないこうでもないと思考をめぐらせ、議論し、ユーモアを交わしあえる稀有な大人だ。

そんな彼女はZINEの仲間達をSNSを通じて見つけ出してきて、毎週オンラインで話しているという次第だ。
私は彼女の人となりをSNSを通じて知った。好きになった。尊敬した。
私たちはSNSで繋がっている。いや、むしろSNS以外で繋がったことがなかった。

自分の家族にその話をした時、「騙されてるんじゃない」「変な人にそそのかされてるんじゃない」と心配された。
「会ったことのない人なんて、どうして信頼出来るの?」と。
私は思う。SNSは立派な人間の生きる場所だ。心の集う場所だ、と。
そしてネット上で表現される人の言葉はその人の心そのものだ、と。

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言葉はその人の人となりを表す。
言葉遣い、言葉選び、絵文字をどんな風に使うか、ハッシュタグ、アップする写真、その人が表現する全てが、実際のその人のよそいきの姿より、ずっとその人自身を表すものだ、と私は思う。
だから、SNSで私は編集長のことが大好きになり、本当に会えたときは思わず飛びついてハグをした。
存在していてもしていなくても、既にSNSで触れ合ったその人となりが大好きだった。
そして同じように、ZINEを作る、会ったこともないメンバーが大好きなのだ。

SNSはこうして見ず知らずの人と人を繋げるのに大いに役立つ。
そしてさらには、一度壊れかけた人間関係を再建するのにも役立つ、と思う。

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人間関係に、完成形は無いと思う。
変わらない人も、気持ちも、この世には存在しない。
全てが変わっていく中で、人間関係に正解など存在せず、いつも適した距離感が変わり続けて複雑になっていく、と私は思う。

だから、もしかしたらZINEは完成せず、なんとなくまた皆バラバラになってしまうかもしれない。
もし、皆が「今は連絡をとりたくない」とか、「すこし離れたい」と思ったら、素直にそうすればいいのだ。
それでまたいつか「もう一回話したいな」と思えば連絡すればいい。何か仲違いが起きるかもしれない。

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もしそうなったとて、SNSがあれば、生きていれば、またいつだって繋がれるのだ。いつだって。
SNSはコミュニケーションのハードルを下げてくれる。
だから、どんなことだってまず言ってみよう、やってみよう、のトライするハードルも下げてくれる。
生きていればまた会える、
だから思い切りぶつかって、失敗したって、この人間関係を大いに楽しもう。トライしよう。
このSNS時代を楽しもう。