そもそも「資産形成」と「資産運用」ってなに?

数年前から言われている老後2000万問題だったり、「貯蓄から投資へ」という話だったり、最近何かと「NISA」が話題だったり…。
「自分で自分のお金を増やしていってくださいね!」というのを国が言っているという話は聞いたことがある人も多いんじゃないでしょうか。
でも投資というと、周りでやっている人がいたり、SNSで見かけたり、ちょっと気にはなってるけど、自分にはちょっとハードルが高そう…と思っている人もいるはず。

今回はそんな「資産形成」や「資産運用」が、そもそもまずなんなのか?やっていかないとだめなのか?という疑問が少しでも解消できるような基本的なお話をしていきたいと思います。

実は「資産形成」と「資産運用」、この2つは意味合いが全然違います。
まず、「資産形成」のほうは、その名の通り「資産を作っていく」ことを指します。お金を貯めたり(貯金)、増やしたり(投資など)しながら、自分のための資産を築き上げていくイメージです。つまり、月1,000円貯金するだけでも立派な資産形成なのです。なので、資産形成自体はすでにみなさんもしているかもしれませんね。
つぎに「資産運用」。こちらは作った資産を「さらに増やしていく」ことを指します。
よく「資産形成」=投資だと勘違いをしている人が多いのですが、投資のイメージとなるのは、「資産運用」の方です。

「ライフイベントのため」という言葉が苦手!

よくこの2つの話題には「ライフイベントのため」という言葉が使われますが、私は正直、この言葉は苦手です。ライフイベントというと、いわゆる「結婚」「出産」「子育て」「家」「老後」などなど、型にはまった将来設計のためとされるからです。
でも、自分のためにお金を使う機会ってそれだけじゃなくないですか?
結婚するもしないも、こどもを産むか産まないかも、家を買うか買わないかも、老後にどのくらいお金が必要かも、人によって違います。お金を使うタイミングを他人に定義されたくないですよね。

将来のことにももちろんお金は必要ですが、今病気や怪我になったときはもちろん、資格取得のためだったり、好きな服を買ったり、友達とおいしいものを食べたり、たまにぜいたくで旅行にいったり、今の楽しみのためにだって、お金って必要ですよね。
「将来のライフイベントのため」と思うと、いわゆるライフイベントってぴんとこないし、いまは身近に感じられないという人も実は多いのではないでしょうか。
そうではなくて、「資産形成」や「資産運用」をするということは、「今と将来の自分のためにお金を作っていくことなんだ」というマインドを持っておくとよいと思っています。

投資、実はハードルが低い。100円で購入、放置でOKというものも

そして、やはりみなさんも少し気になっているであろう投資。
投資と言えば何百万の大金が必要で、ずーっと画面に張り付いていなくちゃならない…。テレビや映画などの“投資家”のキャラから、そんなイメージがある人もいるはず。
ですが投資商品の種類や買い方によっては、100円から購入ができ、基本的には放置したままでいいというものもあります。ドリンク1本我慢すれば、投資商品が買えるのです。

そして、最近なんでNISAがとっても話題かというと、このNISA制度というのは金融庁が作った投資の制度で、投資をすると本来であれば利益に約20%の税金がとられてしまうのですが、この税金がかからないというのがNISA制度。
つまり、1,000円の利益がでたら普通は20%引かれて手元に入るのは800円になってしまうけど、NISA制度なら1,000円そのまま手に入るということです。
今回は長くなってしまうので、細かい解説はまた今後…としますが、NISA制度のうち「つみたてNISA」という制度は、金融庁の条件をクリアした商品が対象となっているという安心感もあるのです。
もちろん投資には価格の変動のリスクがあり、最初に投資をした金額から減ってしまうという可能性もあるのですが、よりそのリスクを減らしながら投資をしていくことができるので、初心者にも手を出しやすくなっています。

「資産形成」、「資産運用」というと、ついつい「なんかとにかく難しそうだ…」と感じてしまうかと思うのですが、実は今意外とハードルが低いんです。だって、まずはお金の管理をして、お金を貯めるということも、自分の資産と立派に向き合っていると言えるからです。
そして今は給与がなかなかあがらず、自分でお金を増やしていくことがどうしても必要となってくる時代。次回以降でまた投資について解説していくので、ゆっくりひとつずつ疑問を解消していきながら、できそうなことから始めていきましょう!