「異次元の少子化対策」表明が話題になっています
少子高齢化が進んでいることは学校の授業などでも習うので、「日本は子どもが減っていてやばい状況なんだ」という認識は、みなさんもなんとなく持っているはず。
年明け早々、東京都が出産や子育てを応援するために計10万円相当のギフトカードを支給する事業を始めることが、SNSなどでも話題になりました。
また、国の政策としても2023年4月より少子化対策の一つとして、出産育児一時金が現行の42万円から50万円に増額されることとなっていますが、岸田首相が年明けの演説で「異次元の少子化対策」と表明したというニュースを見た人もいるのではないでしょうか。
妊婦検診は母子手帳が交付されるまで全額自己負担
そういった中で、いざ自分が子どもを産むとなったとき、お金のことは大丈夫だろうかと考えている人もいるはず。今回はそんな妊娠出産にまつわるお金についてお話していきたいと思います。
まず、妊娠をしたら、妊婦検診を受けに病院にいく必要があります。普段病気になったときなどは健康保険証を提示すれば、医療費が3割負担になりますよね。ですが、妊娠は病気ではないので公的医療保険の対象外で、窓口での負担が全て自己負担の10割なんです。え、じゃあ高いお金を払わないとならないの?というとそういうわけではなく、母子手帳が交付されると、妊婦健康診査のための補助券が自治体から配布されるので、それを使って受診をしていきます。
ただし、その券が配布する前の初診や検査は全額自己負担となるのと、補助券には上限額があり、病院によっては上限額が超えてしまうことも。その場合は差額を支払う必要があります。自治体によっては超えた金額を補助してくれる場合もあります。
次に、出産時の費用ですが、厚生労働省の調査によれば、公的病院の平均出産費用45.2万円、全施設の平均出産費用は46.7万円となっています。これをカバーするのが出産育児一時金です。こちらは今年4月から、42万円だったのが50万円に増額。平均額よりも少し多めの額が給付されることになりますが、病院などによって前後する場合もあり、その場合一部が自己負担となります。例えば、無痛分娩を希望された場合などはプラスでお金がかかってしまいます。
育児休業給付金は、子が1歳になる前日まで給料の約2/3程度が支給
また、会社員・公務員の方であれば、会社で加入している健康保険組合から出産手当金をもらうことができます。これは出産日以前42日から出産の翌日以後56日目まで会社を休んだ期間を対象に、普段のお給料の約2/3程度が支給されるというもの。
また、こちらも会社員・公務員の方が対象となりますが、雇用保険の加入をしていれば、育児休業給付金をもらうことができます。原則として、子が1歳になる日の前日までの休んだ期間を対象に、お給料の約2/3程度が支給されます。
出産時と産後すぐに休んだ期間については公的に上記のようなお金の制度があります。しかし、病院によっては、出産育児一時金よりも出費があったり、そのあとの出産手当や育児休業給付金もお給料の全額ではないため、支給されれば安心…となるかというと、必ずしもそういうわけではありません。
出産を考える前に知っておきたい制度やかかるお金
そして、今回は妊娠・出産時の話をしていきましたが、子どもの人生においてお金がかかる期間は実際そのあとのほうがずっと長い。また、より選択肢が広がる分、かかるお金も人それぞれになっていきます。ですが、今回お話ししてきたことは、子どもを産む際に多くの人が関係している制度になります。
まだまだ出産のことだなんて考えられない…という人も多いかもしれません。
これはどんなことでもそうですが、こういう制度があって、こういうお金がかかる可能性があるということを知っているだけでも、いざ直面したときの安心感は変わってくるはず。将来どういう選択肢をとるにせよ、知っておいて損はありません。今回のお話を、ぜひ頭の片隅にいれておいてくださいね。