わたしが推したい友人は、小学校3年生からの親友Mちゃん。中学・高校もずっと一緒で、今でも連絡を取り合っている。彼女が地元に帰ってきたら絶対にご飯を食べに行くほど仲がいい。
そんなMちゃんの尊敬するところは、ネガティブなことをポジティブに変えてしまうところだ。

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仕事をしているとどうしてもストレスを感じてしまうことがある。わたしは接客業をしているのでお客さんから心ない言葉を言われたりすることもたまにある。
心が傷ついて、やり場のない怒りが溜まる。その怒りからイライラしてしまう。普段なら何も感じないこともムカっとする。

もうイライラで押しつぶされそうになったとき、Mちゃんの顔が浮かんだ。
「最近、イライラが止まらないんだよね……」
「例えばどういうことにイライラしているの?」
「お客さんに心ないこと言われたり、何でも他の人に仕事を任せる職場の同僚にイライラしたり。もう心が荒んでて……」
「あるある!そういうこと。わたしはイライラしたことがあったら逆に感謝できることを探すようにしてる!意外とそれでまあいっかーってなれるよ(笑)」

感謝できることを探す。その発想はなかった。
いつもイライラを抑えるために食べたりお酒を飲んで寝て忘れる。
Mちゃんはそうではなくて考え方そのものを変える。
この言葉がスーッと心の中に沁みた。

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次の日からさっそく試してみた。同僚はたしかに何でも人に仕事を任せることがあるけど、困っていたらすぐ手を差し伸べてくれるよな……。
あれ、普通にいい人じゃん。そのことに気づいた途端、イライラが消えていった。
Mちゃんって凄いな。ネガティブなことをそのままにしないでポジティブに変えてしまうんだから。

最後にMちゃんが言っていた。
「もし感謝できることがどうしても見つからなければ一旦諦めて、ほかの感謝を増やしていったほうがいいよ。イライラすることより感謝できることの数が増えたら、そのうちイライラしてたことがどうでもよくなるかもしれないからね!」
彼女の発想は気持ちを前向きにしてくれる。

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もう一つ凄いと思うことがある。それは芯が強いことだ。
小学生のころわたしとMちゃんともう1人の友人と3人でいつも一緒にいた。
ある日、友人から無視をされるようになった。何も悪いことなんてしていないし、よく分からなかったのでいつものようにMちゃんに話しかけようとした。

その瞬間、友人が目の前でぐいっとMちゃんの手を引っ張ってどこかに行ってしまった。
目の前が真っ暗になった。ひとりぼっちになって悲しくなった。
もう二度と話せなくなるかも。泣きそうになっていたわたしのもとにMちゃんが駆け寄ってきた。
「あけちゃん!遊ぼう!」

びっくりした。わたしに話しかけたら嫌われてしまうかもしれないのに。彼女の屈託のない笑顔は今でも忘れられない。
友人はMちゃんのことを怒った。一緒に話しているから。それでもMちゃんはずっと側にいてくれた。
結局、数日経ったら無視されなくなった。もしかしたら、Mちゃんの行動が友人の心を変えたのかも。

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彼女はこういう人なのだ。周りに流されない。自分の信念を貫いていて本当に尊敬する。
中学・高校生の頃に人間関係に困っているときも、わたしの話を最後まで静かに聞いてくれた。

いつもMちゃんの「大丈夫だよー!」の言葉に励まされた。もし彼女がいなかったらどうなっていたんだろう。時々そう思う。
わたしはMちゃんのことをとても信頼している。何でも本音で話せる。
こんな素敵な親友がいて幸せ者だ。

昔、Mちゃんがわたしに突然こう言った。
「あけちゃんの誕生日と私の誕生日を見てみたら、うちらソウルメイトなんだって!やったね!」
あなたがソウルメイトで本当によかった。心からそう思えるよ。