19歳の私は、ときどき自分の将来を案じる。就職ができるのだろうか? などではない。その先、ひとりの「女性」である私は、会社で認められるのか? である。そう、ガラスの天井、女性やマイノリティが十分な実績などを持つにも関わらず、昇進が難しいという見えない障害物である。
私は、「女に学歴はいらない」なんて言われたことはないし、普段の生活でも、格段の性別役割分業的、女性差別的な扱いを受けたことはない。その上、上に立って物事を率いることは大好きだし、会社に貢献できる自信もある。それにも関わらず、ガラスの天井を経験するかもしれないと恐れている。よく考えると不思議なものだ。
これは日本の男女格差の現状に起因するだろう。ジェンダー・ギャップ指数は先進国のなかで下位、大臣にも、会社の管理職にも女性はあまりにも少ない。男女の数はほぼ同数であり、男女にそれほど大きな能力差はないというのに。
上述したガラスの天井という言葉にあるように、同じ能力を以てしても男女で昇格や待遇に差がある。このような環境を知れば知る程、私の杞憂は深まるばかりである。
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さて、そんな中でできた私の将来の夢は、企業への男女格差の問題への取り組みの支援や働きかけを通じて、日本における男女格差を解消していくことだ。企業の取り組みは社会全体、表に出やすく、社会のロールモデルとなるはずだ。だからこそ、そこに私が介在して、自分がロールモデルとなると共に、さらなるロールモデルを生み出していきたいと考えている。
このような活動をすることによって、私のようにリーダーになりたい、自分の能力をきちんと認めて欲しいという女性が、ガラスの天井や、性別役割分業に苦しまない社会を作り上げたい。
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さて、なぜ私が上記でロールモデルについて熱弁しているかといえば、それは今の私自身があるロールモデルの方のもとに成り立っているからだ。
それは、マララ・ユスフザイさんである。彼女は女子教育を推進する活動をし、銃撃されてもなおその活動を続け、ノーベル平和賞を受賞した。 小学3年生のときに読んだ彼女の著書は、当時の私に男女格差の存在を教えてくれた。
そこには、彼女の祖国における、当時の私には信じ難い男女格差の実情が綴られていた。女子というだけで教育を受けられない社会? 同じ人間でありながら女性は男性のもとでしか行動できない社会? 男女格差など感じていなかった当時の私にとってそれはあまりにも大きな衝撃であった。
私の家族構成は、父・母・私。父は朝早く出社して遅ければ日付が変わるころに帰宅するサラリーマン、母は父と職場結婚の後、会社を辞めパート勤め、そして私を産んでからは専業主婦である。
幼少の私はそれに疑問を感じていなかった。しかしマララさんの著書を読み、男女格差の存在を知り、まわりを見渡したとき気付いたのだ。マララさんの祖国パキスタンだけではない、日本の、自分の両親にさえ男女格差はあったのだと。
どちらかが職場を辞めるとなったとき、母が辞めるだろうという雰囲気になっていたこと、父が育休を取れなかったこと、父には仕事が、母には家事育児がそれぞれ過度にのしかかっていたこと。その他諸々、男女格差・性別役割分業に関することが自分の両親にさえ多くあったのだ。
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マララさんというロールモデルによって男女格差を知ったからこそ、今、日本の男女格差に立ち向かいたいと強く願う私という人間が生まれたわけだ。彼女が私に男女格差について教えてくれたこと、そして彼女の信念を貫き通す姿勢は間違いなく私に大きな影響を与えており、まさしく彼女は私のロールモデルだといえる。
上記の私の経験から分かるように、ロールモデルは実態の発信という重要性を持つ。男女格差で言えば、男女格差があるということを知らなければそもそもそれを問題とみなすことができないのだ。そう、私のように。
そういった意味で、ロールモデルは社会問題の解決において非常に重要な役割を担っていると考えられ、私自身もそのような誰かのロールモデルになりたい。
このように、ロールモデルによって問題が世の中に知らされ、解決に向けた人材を生み出されるため、ロールモデルの存在は、問題の可視化のみならず、問題を解決していくために必要不可欠と言えるだろう。ロールモデルに注目することは、男女格差解消の手段の1つとして非常に有効である。
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今回、自身の考えを1度言語化して世間と共有したいと思いこのエッセイを書いてみた。男女格差の解決方法は多岐にわたり、挙げるとキリがないため、今回は自分自身の社会のロールモデルとなる・ロールモデルを作るという夢や、私自身の半生と絡め、ロールモデルの必要性を記してみた。
羅列するような形式で読みづらいものとなったかもしれないが、これが自分自身を改めて見つめ直す機会となるとともに、誰かが男女格差に興味を持つようなロールモデル的なものとなると嬉しい。そして、男女格差のみならず、様々な社会問題の解決の端緒となれば嬉しい。