10年後の女の子のために次の世代に絶対に残したくないもの。それは「固定観念」です。まだまだ社会には、「男性はこうあるべき、女性はこうあるべき」という古い考え方がこびりついています。それだけじゃない。私たちはいつも「きちんとしなさい」「前向きに生きなさい」「努力し続けなさい」と言われて、ストイックな価値観を押し付けられています。まるで社会が、休むことすら罪であるかのように感じさせるんです。この「ストイック社会」、そろそろ終わりにしたくないですか?

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考えてみてください。不満や愚痴をこぼしながらも、それがコミュニケーションの主流になってしまうのは、このストイックすぎる環境が原因なんじゃないでしょうか?「もっと頑張らなきゃ」と常に思わされる社会では、リラックスしたり、楽しむ余裕がないのです。この固定観念やプレッシャーが、男女問わず多くの人たちが自己実現の道を狭めている要因だと感じます。10年後にはこれらの価値観をしっかりと手放して、もっと自由に生きられる社会にしたい!

10年後の女の子たちに一番伝えたいこと。それは、「自分自身の価値を信じ、自分の声を大切にしてほしい」ということ。社会や周囲の期待に流されそうになることもあるかもしれません。それでも、何よりも自分の信念を持つことが大事です。他人がどう思うかよりも、自分がどう感じるか、自分が何を信じているのかが最も大切なんです。

そして、もう一つ大事なことがあります。それは、他人との違いを恐れないこと。むしろ、違いこそがあなたの強さです。私たちはよく「みんなと同じでなければならない」と思わされがちですが、そんなことはないんです。違うからこそ輝ける場面が必ずあります。どんな立場にいても、その違いが力となり、誰かのロールモデルになれる自信を持ってください。

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ここで、私が以前職場で感じた小さな違和感をお話ししたいと思います。ある日、男性上司からゴミ捨てを頼まれたときのこと。何も考えずに「はい」と言ってゴミを持ち上げたその瞬間、先輩女性社員が私を止めたんです。彼女は「ゴミ捨ては女性の仕事だって長い間思われてきたけど、それはもう変えなくちゃいけないことだ」と言ってくれました。
先輩女性社員は手が空いている時でさえ、意識的に引き受けないようにしていたのです。なぜかというと、「女性の仕事」という固定観念を打ち破るためです。彼女たちが長年かけて築き上げたその小さな抵抗を、私は一瞬で台無しにしてしまうところでした。
日常の小さな習慣や行動でも、一人ひとりが意識を持つことで、社会全体の固定観念を少しずつ変えていくことができるのだと感じた瞬間です。何気ない「ゴミ捨て」という行動が、実はとても深い意味を持っていたんです。

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そんな経験を経て、私は今、ソーイングのレシピを発信しています。「売り物みたいにきれいに作りましょう!」と言っているわけではありません。むしろ、完璧じゃなくてもいい。楽しさを重視して、もっと自由にクリエイティブに作ってほしいのです。家庭科授業で「きちんと作ること」を教え込まれましたが、それに縛られる必要なんてありません。楽しんでいいんです!
「きちんとしなきゃ」というプレッシャーから解放されて、もっと自分らしく、自由に生きてほしい。楽しむことの価値を知ってほしい。
どんなに小さな違和感でも、声を上げていく勇気を持ち続けていきましょう。それが、未来の女の子への最大の贈り物になると信じています。