上海から高速鉄道で163駅。仕事から離れひゅるっと2人旅に出た

私は疲れたら、いつでもどこでも、ひゅるっと1人旅に行く。
社会人1年目の時なんて、社内の国際文化の違いや仕事のやり方に疲れてしまって、1週間有給をとって、ひゅるっと、気の置けない長年の友人と中国の地方に旅立った。
上海から高速鉄道で163駅乗った1週間の旅だ。
まずは、杭州。最近国際ゲートウェイとして都市化が進んでいると聞いた。行ってみると、その通り!で、中国なのに英語の標識が沢山あった。
有名な庭園があり、その庭園のトイレに、日本のサービスエリアのように空室かどうかが即時でわかる電子掲示板があったり、スマホでQRコードを読み込むと、VRの解説が立ち上がる……と電子化されたものが多かった。
また、杭州は、中国茶が有名だと聞いたので、わざわざ庭園の中のお茶屋さんで、本場の鉄観音茶を飲んだのを覚えている。外は、庭園が見えるので、なんとも昔の中国らしい、ほっこりした時間だった。
次は、蘇州に向かった。
蘇州は、東洋のベネチアと言われている水の都だ。たしかに人力の屋形船のようなものが走っている。夜は、千と千尋の舞台となった台湾の九份とも似つかない、なんとも昔ながらの中国らしい風情が広がっていた。
ここの街のお店は、漢字の標識ばかりで、異国情緒を感じた。私は、お土産に中国らしい、昔〜今までの時を封じ込めたような時空を漢字で表すノートや、昔ながらの中国式お守りを沢山買った。
2人で上海蟹を食べ、夜の水の上に浮かぶ屋形船わ眺めながら、赤い提灯で照らされた街中を眺めていた。個人的には、杭州よりも風情が感じられて好きだった。
その次は、もっと内陸の方に進み、お目当てだった景徳鎮に行こうとした。景徳鎮は、骨董陶芸で有名だとテレビで見たことがある。ただ、旅程的に難しく、景徳鎮の近くの农村という安徽省にある田舎町に行った。
ここは、本当に古代の中国をそのまま保存したようなお城や湖がある、小さな街だった。あまり有名ではないので、外国人はほとんどいない。日曜日の朝だからか、水辺の近くで、水彩画を描いている現地の老人もいる。
「手付かずの中国古都」という感じだった。とくにこの時は、紅葉シーズンだったのもあり、余計に美しく、絵になる街だった。
ただ、安徽省自体は、高齢化が進んでおり、上海などと違い、とにかく歩きタバコや吸い殻のポイ捨てをする老人が多かった。
「若い人は皆、都市に出稼ぎにいく」というのを聞いていたので、农村を一歩外に出ると、やはり寂しい、中国の内陸部のリアルを感じた。
最後は、西安に行った。西安は、华山という山登りのために行った。朝に登り、登った景色は雲ひとつなく、すがすがしかった。山の近くでは、羊肉破膜という、麺のような白玉のような、そんな小麦粉でできたお持ちのような地元の面スープを食べた。薄味でこしがあって美味しかった。
そんなこんなで、私は仕事で気分を切り替えたくなると、国内に1人旅や、海外を気の置けない友人とひょっと行ってしまう。
そして、旅から戻ると、またリフレッシュして、目の前のことに向き合えるようになっている。
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