私の毎日のごきげんの理由は間違いなくいつも隣にいる貴方でしょう。
私の普段の仕事はパティシエです。まだパティシエの卵にすらなれておりませんが。専門学校を出て、ホテルやカフェなど転職を四回ほど繰り返してきました。

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自分のメンタルの弱さ、努力の足りなさが原因で転職を繰り返しているのは分かっています。それでもパティシエを続けたいのです。お菓子をつくるのが大好きなのです。事務やコールセンターの仕事も経験したのですが、私の中でどこかもの足りなさを感じるのです。やっぱり自分の作ったお菓子で人を笑顔にできるのが幸せなのです。

でも、転職にも先の見えない不安は積もります。そんな時に隣にいる貴方はいつもこう言ってくれます。「君はいつも頑張ってるよ」と。こんな事も言ってくれます。「たまには休んでいいんだよ」と。

転職を繰り返すことは私の中では「逃げ」だと思っていました。逃げる=サボることでもあると思うのです。でも貴方は私の事を頑張っている、と。そう言ってくれるのです。いつももう無理だと落ち込んだ時、そっと隣に来て背中をさすってくれます。行動だけでなく言葉でも。今までどれだけ救われたか分かりません。

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ある日の事です。私が一から試作して自信を持ってお客様にお届けできるケーキが出来上がりました。今まで先輩から受け継いできたケーキを製造している日々だったので、自分のケーキを出せることがこの上なく幸せでした。

家族や貴方にすぐに報告しました。皆とても喜んでくれました。貴方はそれだけでなく私の職場に足を運んでくれました。食べにきてくれたのです。「すごく美味しい」そう言った時のあの時の貴方の幸せそうな笑顔は一生忘れません。私の一番のお客様です。

また、仕事を頑張って終わらせた時には一緒にミスドを食べてくれます。一人三つも食べます。貴方と食べるドーナツは一人で食べた時より何倍も美味しいです。きっとこれはドーナッツの味のおかげではなく、貴方と食べるからなのです。何を食べるかより、誰と食べるか。以前どこかで見たこのキャッチフレーズが今は私の心にしっかり響きます。

二人がお休みの日には、カフェや美術館、謎解きゲームなどワクワクする事を一緒にしてくれます。たまに家で映画を見ながらのんびり過ごします。貴方と過ごす毎日は私にとって全て宝物です。

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この仕事を続ける限り、私は多分まだまだしんどい事が待っていると思います。また転職も考えてしまうかもしれません。でも、怖くありません。だって、いつも隣に貴方がいてくれるから。

つまり、私のごきげんの理由は貴方なのです。それでいて私も貴方のその理由になりたい、といつも思っています。疲れた時、しんどいなと思った時、隣でそっと支えてあげる存在になりたい。仕事で嬉しい事があった時、一緒に喜ぶ存在になりたい。そう思うのです。最後になりますがいつも本当にありがとう。