SNSでよく見かける、友人たちの数々の投稿。旅行やブランド品、豪華なディナーなど、彼女たちの日常はとても輝いたものに見える。私よりもお給料は低いはずなのに、一体どこにそんなお金があるんだろうと、いつも不思議に思う。
◎ ◎
お金の話になったときに、彼女たちは全然貯金がないと言っていて驚いた。ある子は「預金残高がもうすっからかんだよ」と笑っていた。たまにラウンジでお小遣いを稼いでいる子もいるみたいだけれど、それでも頻繁に贅沢をするには全然足りなそうだった。「もしかして、パパ活してるのかな?」と少しだけ疑ってしまったけれど、話を聞く中で私はあることに気づいた。
彼女たちと私には、大きな違いがある。みんなは、今という二度とない時間を楽しむためにお金を使っている。一生懸命働いて貯めたお金を、今自分がやりたいことのためにパーッと惜しみなく使う。お金をたくさん使ってしまっても、また次の楽しみのためにひたすら働いて貯めるのだろう。
まあ、万が一お財布がカツカツでピンチになったとしても、それぞれのパートナーに頼ることもできるし、きっと不安はないのだろう。色んな意味で、私とはまるで正反対だ。
◎ ◎
一方で、私は倹約家。毎月節約したりポイ活などを利用したりしながら、質素な暮らしをしている。決してケチっているわけではなく、家族や友人への誕生日プレゼントなど、使うべきところには惜しまず使う。
でも、自分に対しては何もかも必要最低限で、全然お金を使わない。ブランド品なんて買ったことがなくて、いつもプチプラ商品や値引き品。きっと、老後はお金がたくさんかかるし苦労したくないので、これからのために社会人になってからずっと貯金し続けている。
浪費家とまではいかないけれど、たまに彼女たちのお金の使い方を見ていると、私はハラハラしてしまう。それと同時に、羨ましいとも感じている。私は、まだまだ先の将来のために、彼女たちのような楽しみを我慢しているから。きっと、彼女たちから見て私の生き方は「つまらない」と思われるかもしれない。
現に、知り合いの男性から「自分のためにもっと使いなよ」と言われたことがある。「そうですね」と答えながら、心の中で「あなたみたいにお金があれば、どんどん使うんですけどね」と言い返した。給料はすごく高いというわけではないので、みんなと同じ使い方をしたら破綻すること間違いなし。それに、パートナーもいないのでそうなったら老後は最悪、道端暮らしになる。心配性の私には、みんなのようなお金の使い方が理解できなかった。
◎ ◎
でも、先日、職場で倒れてから考え方が少し変わった。少しの間意識を失っていたし救急車で運ばれてしまったけれど、大きな問題はなくて今日まで無事に生きられている。もし、これで目覚めなくて死んでいたら、私の人生はつまらないままで終わってしまって居たかもしれない。
「今」を楽しまないと「未来」できっと後悔する。だから、まだ見えぬこれからをずっと心配しながら生きるよりも一度しかない今を思い切り楽しんだ方が、人生を振り返ったときに「幸せだった」と心の底から思えるのではないだろうか。
心まで削れてしまうような貯金の仕方はもう止めよう。贅沢三昧とはいかないけれど、もう少しだけ今の自分に投資してみよう。どのくらいの金額を何のために使うかは人それぞれ。みんなみたいにキラキラしていなくてもいい。私だけの、私のためのお金の使い方で、人生も私の心も幸せにしてみせる。