献血、学生の作品展、古本屋。お金がなくたってデートは楽しめる

あのとき、ああしておけば良かった。今なら簡単に分かることなのに。
そう思うことって、色んな場面である。
最近特に思うのは、お金が無いときの過ごし方についてだ。
大学在学中、多くの学生がそうであるように、私にもお金が無かった。そして私以上に、当時の恋人はお金を持っていなかった。奨学金を満額借りており、実家も裕福では無い。その割に7万円するダウンジャケットを購入していたり、漫画アプリに万単位で課金したりとだらしないお金の使い方をしていて、私はいつもそれを咎めていた。
だから、自分との交際で余計な支出をさせてはいけないという思いが常にあった。
今振り返ると、その割にはうまく「節約デートコース」を選べていなかったな、と思う。必死で安い居酒屋を探したりするばかりで、柔軟な考えが出来ていなかった。
社会人になって自由に使えるお金が増えた今の方が、安く済ませられて楽しいデートにたどり着けている気がする。
もし今、学生時代の私のような思いをしている子がいるなら、このデートプランを伝えたい。3つ紹介するので、参考にしてもらえたら光栄だ。
まず1つ目は、献血だ。
献血なんて2人で行ってどうするの、と思われた方もいるかもしれないが、あなどることなかれ。献血ルームというのは大体街中にあり、綺麗な建物の中に入っていることも多い。私が住んでいる札幌には、観光地としても知られている大通り公園を一望出来る献血ルームもある。
自販機が置いてあり、飲み物も飲み放題。パンやお菓子、アイスなどがあるところもある。雑誌や漫画もあるし、社会貢献にもなる。無料で行ける場所としては上等だ。
2つ目は、学生の作品展。
先日、札幌市内の中学生が授業で作った工作や絵画の作品展に行ったのだが、非常に良かった。市内全中学校から出品していたから作品数が豊富で、無料には思えないほど見応えがあった。
「でも私、絵とか興味無いし」という方も、多分大丈夫。美術館で行われるような展示と、学生達の作品では楽しみ方が全く違ってくる。少なくとも中学生の作品は、美術に造形が深い人もそうでない人も、同じような見方が出来るものだと思った。
「この子上手すぎる!」「今授業でこんなことやるの!?」「この年齢でこのクオリティはすごい!」などなど。誰もが気負わず素直な感想を言える場だと思う。
あとは美術系の中高、専門、大学の卒業制作展なんかも大体無料だし、良い。中学生の授業作品展よりは専門性が高まるが、学生なのでアーティスト色が弱めで親しみやすい作品もある。美術に興味がない人も十分に親しめる内容だと思う。
3つ目は、古本屋で買った本をともに読むことだ。
1番安いコーナーなら100円台で買えるはずだ。1冊ずつ自分が読みたい本を選んで、もしくは相手に合いそうな本を互いに選び合ったりして(これを出来るのはよほど理解しあっているか、柔軟性のある思考のカップルだけかもしれないが)、長居しても大丈夫なカフェなどで一緒に読む。一度やったことがあるが、かなり良かった。
恋人と過ごす時間って楽しいけど、その分1人の時間が削られているように感じるときもある。かと言って自分のためだけに相手をないがしろにするのも、ちょっと違う。
この過ごし方なら、そういうモヤモヤがあまり溜まらないのである。
以上が、私がオススメする節約デート3選だ。
節約の必要がない方も楽しんでいただける内容だと思うので、ぜひ挑戦してみてほしい。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。