「香港」といえばあの漫画と、それを手に取る昔の私たちを思い出す

私は香港へ足を踏み入れたことがない。
しかし、香港には懐かしいイメージがある。
その印象の理由は、5年程前に遡る。その頃、私は長年付き合った彼氏と結婚するかどうかという頃だった。
私たちは週末婚のような関係だった。平日はお互い仕事。週末になると、待ち合わせをし、まず向かうのはレンタルビデオ屋。DVDや漫画をレンタルして彼の家へ。映画や漫画に大変興味がある彼と、全く興味のない私。対照的な私たちだが、とても相性が良かった。
色々な映画や漫画を探し、世界に浸り、それを伝えたり、考察し合いたい彼。興味がないゆえ無知で、どの映画や漫画も新鮮な気持ちで楽しむことができる私。彼が私を誘って店へ行く→一緒に借りる→一緒に見る→感想を言い合ったり、解説してもらう→返却し、また借りる、というのが定番だった。
そんな中、彼がおすすめしてくれたのが、「九龍ジェネリックロマンス」という漫画。この雰囲気のなつかしさ。ガチャガチャした街中を描いているのだが、「なんかいいなぁ」と気持ちが揺れ動く。香港といえば、私はこの漫画、そしてそれを手に取る、昔の私たちを思い出す。
懐かしい過去へと連れ戻してくれる香港。いつか、夫と娘と共に浸りに行ってみたい。
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