29才の私にとって、香港旅行は単なる観光以上の意味を持っていた。活気のある街並み、ネオンが輝く夜景、狭い路地に広がるローカルな食堂。それらすべてが私に新たな気づきを与えてくれた。

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まず驚いたのは、人々のエネルギー。香港の人達は早歩きで店員もテキパキ働く。経済の中心地であることを肌で感じながら、私は「この数年間どれだけ本気で生きていただろう?」と考えさせられた。29才という節目に立ち、仕事や将来について迷いもあったが、香港の人々を見て「やるなら今しかない」と気づかされた。

また、香港の多文化性も印象的だった。英語、広東語、北京語が飛び交う中で、日本とは違う価値観に触れた。市場では値段交渉が当たり前で、レストランでは相席が普通。合理的で実用的な考え方が根付いていること知り、自分の固定概念が崩れるのを感じた。

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旅の終わり、ビクトリアピークから夜景を眺めながら、「人生も同じかも」と思った。細かいことにこだわるより、もっと柔軟に、自分のペースで進めばいい。香港はそんな気づきを私に与えてくれた。

29才の私が手にしたのは、これからの人生をよりアグレッシブに生きるための新しい視点だった。