私は一人で過ごす時間が好き。なぜなら、全ての行動が自己完結できて、時間を自由に使えるから。

ひとりのいいところは他人に気を取られなくていいところだ。全て自分だけで完結できる。どこで何をしてもいい。文句を言う人もいない。それに自分で自由に時間を使える。今までいろいろな『ひとり◯◯』をして来たけれど、中でも勧めたいものがある。それはひとり映画だ。

ひとり映画は、誰にも干渉されない至福の時間である

私は映画を一人で観に行く方が好きだ。誰かと観に行って、映画の内容を共有するのも楽しいことだとは思う。でもそれ以上に、映画を観た後は、忘れないうちに気になった部分やシーンをメモしてひたすら考察に浸りたい。映画を観る時間だけを楽しむんじゃない。観た後の時間、余白の時間がほしい。

だから私は映画の後は必ずと言って良いほど、毎回のように近くのカフェに駆け込む。適当に飲み物を注文したら、ただひたすらにメモ帳のアプリに考察を書き込んでいく。
満足行くほど書き終えたとき、もう一度その映画を観たいと思ったら、次の回の時間を確認する。可能であれば予約を取っておく。一回で満足だったり、それ以降の予約が取れなかったりした場合は、Twitterで考察や感想を漁る。ここまでに至るまでに、大抵は二時間くらい経っている。誰かと行った時にこの楽しみ方ができるわけがない。

家に帰ってからも、メモや考察を読み返しながらより深く考察を進める時間に充てる。とにかく、映画を観た後に抱いた感想や考察を自己完結させておきたいのだ。誰にもその時間を干渉されたくない。だから、映画は一人で観に行くに限る。
家で映画を観るときも同じようなことが起こる。録画なら気になったシーンを、何度も巻き戻して確認して考察を深める。同じ映画を少なくとも三周はする。一回観て満足するようなものならしないけど、ほとんどは三周以上する。
一周目はざっと観て、二周目は考察して気になった部分と演出などの細々したところを入念に観る。三周目は全体を通してじっくり観る。気になったら止める。満足いくまではその繰り返し。
たぶん他の人は途中で飽きて、付き合いきれなくなると思う。現に家族から「また観るの?」と言われたことが何回もある。

映画の楽しみ方は人それぞれだけど、バックグラウンドまで考えるのは楽しい

映画の楽しみ方は人それぞれだと思う。内容を知りたいから観に行く人、キャストが好きだから観に行く人、考察まで楽しみたい人。楽しみ方が違うからこそ、互いの考え方の違いから起きる齟齬を生みたくないというのもある。

特に内容を観て満足してしまう人とは相性が悪かった。
以前、映画のあるシーンについて熱く語った時、相手にこう言われたことがある。
「製作者側、そこまで考えて作ってないと思うな」

知ってるよ!!!!!あくまで考察なの!!!!!私の考えでしかないの!!!!!
私と相手は観ていた部分が違うのだと気づいた。細部まで観て考えを膨らませ過ぎてしまう私と、ストーリーを追うだけで完結している人。どちらも映画を楽しんではいるけど、楽しみ方が違う。
考察を楽しむ私は映像には映っていない部分、バックグラウンドまで考えてしまう。でも、ストーリーを追うだけで完結してしまう人にとっては、自分の観た映像の情報だけが全てだ。
だから映像だけで完結してる人からしたら「そんな描写、本編のどこにもないよ?」というようになってしまうのだ。気持ちはわからなくもない。でも「バックグラウンドまで考えるのだって楽しいぞ」と私は言いたい。

そういうこともあって、「帰るまでが遠足」じゃないけど、「帰ってからも映画鑑賞」の私にとって「ひとり映画」は鉄則になっている。映画の楽しみ方は人それぞれだけど、こんな風にひとりで楽しむ映画鑑賞の仕方もあると知っていただけたら嬉しい。