あなたは可愛らしい見た目をしているけれど、私にとって精進の色だよ

ここ数年、ささやかだけど嬉しいことの1つに、「ピンクが似合う」と言われることが増えたというのがある。
ショッキングピンクではなく、淡くて優しいパステルカラーのピンク。
友人やその時々付き合う男性と、ショッピングをしている時や何かプレゼントをいただく機会で、「○○はピンク似合うと思って」と言われると、勝手に、女性らしいと思ってくれたのだろうかと感じ、心がじんわりと、嬉しくなった。
ずっと、“女の子らしい“に憧れていた。
小さい頃や中学生までは、髪をショートカットにし、少々ボーイッシュな服装や青や水色を選ぶことの方が多かった。クラスでは、男の子とカードゲームや外で遊んだりすることも多かった。そこに恋愛云々は当たり前に無く、私のことを男子のように扱う男の子もいた。
何より可愛い容姿の妹達が常に身近にいたせいか、小学生ながらに比較されないよう最早真反対を目指していたような気が、する。
今だから言える、可愛いものやピンクの似合う妹、クラスの女の子達を羨ましいなって感じていたし、私だって欲しいものはレースやフリル、リボンがついた可愛らしい色の洋服や小物だった。
当時の私は幼いながら、ルッキズムというものが小学校という世界でも存在し、女の子らしいとされる全ては、当時の私には到底似合わず、身につけようものなら村八分にされると感じていたし、自身も似合わなさを実感し、ちーん、てなっていたと思う。
とはいえ、そんなもの知らない、関係ない!私は私の着たいものを着て、身につけたいものをつけるんだ!というポジティブマインドも1mmも持ち合わせてなかった。協調性を養うあの環境、ある意味恐るべし。
そうやって、10年程ピンクは私にとって憧れであり、程遠い色だった。
高校生になってダイエットをしピークからー12kg、髪を伸ばして女の子らしさを目指すものの、ピンクの似合う巷のキラキラ女子高生とはやはり何かが違った。
校則が凄く厳しかったから、髪と肌だけでも、と日焼け止めを欠かさずにいたら白くなり、前髪を重ためにしぱっつん、髪はレイヤーも入れずにケアはするものの(当時LARMEとかガーリーな雑誌の女の子達が私の中でキていた)おかげでただの日本人形と化していた、爆笑。あの頃の私に垢抜けの方法をきちんと教えてあげたい。
大学生、社会人と、自分の為に稼ぎ使えるお金が増えていくにつれ、日頃のスキンケアや美容医療、パーソナル診断をして自分に似合うものがどういうものか、子供っぽくならずに、可愛らしさのある雰囲気を纏う為には……と研究者さながら、日夜努力を怠らなくなった(嘘です、お酒で顔ぱんぱんの日もあればメイクを落とさず風呂キャンセル界隈発動しまくる、生理で食欲大爆発もたくさんあった)。
でも、1年、また1年と年を追うごとに、誰の為に頑張っていたわけでもないけれど、雰囲気やセンス、肌や髪を褒めていただけることが増えてきて、自然とそんな自分のことを大切に思えるようにもなって、仕事や恋愛、いろんなことを派生して頑張れるようになった。
当たり前に、外見や雰囲気で人の価値は絶対に決まらないけど、清潔感とか自分の好きなものに囲まれている、とか、「見た目」というものに向き合い拘って、自分らしく生きている人は、ある種内面にもきちんと目を向けている、と私は思っている。
私はモデルやアイドルでもないし、別に人様の前に出るような職業では決してないけれど、私が好きでいられる私に昔よりもなれていると胸を張って言える(昔の私だって勿論愛してる!笑)。
だから、ピンク、あなたは可愛らしい見た目をしているけれど、私にとって精進の色だよ。
これからも何歳になってもあなたに似合う女性でいたいなと思う。
ちなみに29歳になった今、1番好きな色は白です!!!!
すみません!!!笑
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