2024年1月、妊娠5ヶ月の時に母と香港へ行った。数ヶ月後には親になる。その目線から見た香港は、いつも以上にエネルギーや夢を与えてくれた。

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スターフェリーに揺られながら感じる海風、色鮮やかな夜景と音楽、噛みきれない海老ワンタン麺、蒸したての飲茶、眩しいネオン看板に、飛び交う広東語。たくさんのエネルギーが詰まっていて、香港という場所が狭すぎるように感じてしまうほど。

ビクトリアハーバーを見ながら、「香港の香りがするね」と母が言った。色々なものが入り混じり、ワクワクさせる香り。私にも感じた。半年前にも来ていたのに、またここに戻って来れた事がとても嬉しかった。

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香港は私たちを病みつきにさせる。香港好きは母譲りで、母は私の名前に「香」を付け、私も娘の名前に「香」を付けた。実は母も妊娠中に香港に来ていたとの事で、血は逆らえないね、と2人で笑った。

幼少期から何十回も来ていた香港だが、次は娘も一緒だろう。娘と一緒に見る香港を、私はどう感じるのだろうか。そして、娘にもこの香りを知って欲しい。いつの日か娘と同じような会話をしたい。わたしと香港は、いつまでも続いていく事だろう。