悩んで辿り着いた「看護師を副業にする」という答え。私なりの改革

働き方は一つじゃない。
私は昔から体調を崩しやすかった。幼いころから無理をするとパンクし、寝込んでしまうことが多かった。それでも、「看護師になりたい」という気持ちは強く、親戚の看護師であるおばの姿に憧れて、この道を選んだ。
「20代独身なら正社員が当たり前」
そんな暗黙の了解のなか、私は総合病院に就職した。
小さい頃からの夢だった看護師になること。しかし、看護学生のときから、私は現実の厳しさをひしひしと感じていた。
指導の仕方、勉強の進め方、働き方、上下関係……どれも古い価値観に縛られているように思えた。時代は平成、令和と進んでいるのに、職場の雰囲気は昭和のまま。そう感じることが多かった。
さらに、看護の世界では、悪い噂はすぐに広まり、一度目をつけられると非難の集中砲火を浴びる。特に40〜50代の看護師が多い職場ほど、その傾向が強かった。
……と、ここまで書くとただの愚痴のように聞こえるかもしれない。けれど、ベテランの先輩たちは経験豊富で、1つ質問すると10の知識を教えてくれるような素晴らしい存在でもあった。
そして、何より看護師という仕事はやりがいがあった。患者さんに直接感謝されることも多く、「この仕事を選んでよかった」と思える瞬間もたくさんあった。
ただ、どうしても 人間関係が合わなかった。
職場の人間関係に悩み続け、無理をしているうちに、私はついに体調を崩してしまった。そして、休職することに。
その間、私はひたすら葛藤した。
「看護師を辞めたほうがいいのか?」
「でも、仕事自体は好き。辞めたくない。」
「どうすれば、この仕事を続けられる?」
悩みに悩み抜いた末、私は 「看護師を副業にする」 という選択肢にたどり着いた。
新人からお世話になった職場で、この働き方を選ぶのは「邪道」な気がして、上司に相談することもなく退職した。
「看護師を副業にする」
これが、私の新たな夢になった。
30歳手前でこんなわがままな夢を持っていいのか。不安になることもある。でも、私は知っている。看護業界の人間関係や働き方は、そう簡単には変わらない。ならば、 自分が変わるしかない。
「現実に合わせて、働き方を変えていこう」
状況に応じて変幻自在に。
正社員にこだわらなくても、看護師の資格があれば働き方の選択肢はたくさんある。これは、学生時代の勉強や実習を乗り越えて手に入れた資格の 特権 だと思う。
そして今、私は休みながら、新たなスキルを身につけるための勉強を始めている。
せっかく買ったパソコンを活用したいと思い、オンラインスクールに入会。ライティングやマーケティング、デザインの勉強を始めた。最初は右も左もわからなかったが、気づけば入会して5ヶ月。こうして文章を書くことができるようになり、夢に一歩ずつ近づいている実感がある。
看護師としての経験を活かしながら、働き方の幅を広げることができるかもしれない。自分の可能性を信じて、これからも進んでいきたい。
「正社員でなければならない」という先入観から抜け出したとき、私はようやく自分の色めがねを外すことができた。
苦しんで、葛藤して、それでも前に進もうとしたからこそ見えた世界。
今、20代で人生にもがき苦しんでいる人、葛藤している人に伝えたい。
「その苦しみの先には、きっと未来がある」。
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