放っておいてくれるけど、疎外感は感じない。私を解放してくれる香港

香港は、みんなが放っておいてくれるから好き。
中国大陸や台湾の人たちよりもアグレッシブな人が多いイメージだし、街の食堂も自分からヅカヅカと入っていかないと食事にもありつけない。それなのに、不思議と疎外感は感じない。むしろ「自分の好きなようにすればいいんじゃない?」と自由を許してくれる、懐の大きいお母さんみたいな雰囲気。
それが、私にとっての香港。
だから、疲れると香港に行きたくなる。日本で30代女性として暮らしていると外野がすごくうるさい。「結婚はしないの?」「子どもはほしくないの?」と親しい人も、親しくない人も聞いてくる。自分で生計を立てて、職場でもそこそこ評価されているのに、常に不完全みたいな扱い。
最近特に疲れてきたなと思ったら、ふと10年前中国留学中に厦門から和諧号に乗って深圳経由で香港に何度も行って自由を謳歌した日々を思い出した。
深圳から香港に入境する時の(日本人には新鮮な)ワクワク感。今は香港と大陸の都市を直接繋いでいるらしい。
現実から解放されたくて、ついにゴールデンウィークに香港に行くことを決めた。香港にたどり着いたら、10年前の記憶を辿って、確か天后か北角にある牛腩捞麺のお店に直行予定。
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