卒業したいことを挙げるとほんとうにキリがないと思う。たとえば、電気や冷暖房をつけっぱなしで寝落ちしてしまうことをやめたい、出発前にギリギリになってしまって遅刻してしまうことをやめたい、苦労自慢してしまうことをやめたい、などなど……。パッと思い付いただけでもこんなにあった。

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そんな中、わたしが卒業したことは「追いかける恋愛」である。

アプリで恋人を探すと多少はしょうがない部分もあるかもしれないが、以前は、容姿が自分好みかどうかで、選んでしまいがちだった。身長などの条件で絞れることや、一覧の状態だとプロフィールのトップ画像のみで、いいねをするか、スキップをするかを判断しないといけない。元カレは、俳優でいうと佐藤健に似ていた(異論は認めます笑)。

元々、佐藤健のような系統の、亀梨和也や松坂桃李の顔も好みなのだが、今では元カレを彷彿とさせるため、ネット上で見かけると勝手にイライラしてしまうくらい、嫌いになってしまっている。

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思い返せば、学生時代から追いかけている恋愛しかしてこなかった。逆に、わたしが好きじゃない人に一歩来られると、二歩下がってしまっていた。アプリの待ち合わせでは、大体写真よりかっこよくない人が来る。昔の写真や盛れている写真をアプリのプロフィールに使う男性が多いからかもしれない。元カレのときは、それまでとは違い写真よりも、もっとイケメンが登場したのである!イケメンを目の前にオムライスを食べたのだが、わたしは顔に出てしまうくらい、めちゃくちゃ緊張した。

そのドキドキは付き合ってからも消えなかったが、今思い返すと、そのドキドキの正体は相性がよくないがために起こってしまっていたのだと思う。彼氏からLINEの返信があるかや、一挙手一投足を気にしていた。

勝手に不安になっていたし、色んなことを一方的にやってあげたくなっていた。喧嘩こそしたことはなかったが、それもおそらく元カレが妥協していたか、言っても無駄だと思っていたのかもしれない。こんなに尽くしているのに、なんで彼氏は○○してくれないのだろう?!と一人で悶々としていたことも多かった。

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一方で、今の彼氏は、わたしのことをすごく真っ直ぐ追いかけてくれている。顔がめちゃくちゃタイプというわけではなかったし、追いかけられることに慣れていなくて、告白されても困惑してしまったが、共通点も多いし色々と意気投合する場面が多かったので、付き合った。追いかけられら側になって初めて、元カレにとってわたしの行動が重荷になっていたかもしれない、と気付くことができた。

だからこそ、今、彼氏が追いかけてくれることに甘んじることなく、その好意に応えたいと思うし、いつまでも美しくいられるように自分磨きも頑張りたいし、しっかり愛情表現や感謝の気持ちを伝えようと意識できている。友人も言ってくれているが、「追いかける恋愛」も「追いかけられる恋愛」もどちらも経験できているのは、強いと感じている。過去の恋愛を経て、強くなっていると嬉しい。