4年前。昼も夜も関係なく、4か月の赤ちゃんと2歳の子どもを育てていた。
髪を洗う暇も気力もなく、顔も体もボロボロ。「子どものために仕方ない」そう思い込んでいた。

でも、どこかで「なんかちがう」と感じていた。それは言ってはいけないことなんだ。そう思っていた。そんなある日、ふと見つけたのが「かがみよかがみ」だった。

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最初は正直、「エッセイ? 芸能人とか暇な人が書くものでしょ?」そう思っていた。

けれど、ホームページを見た瞬間、「ここなら私も書けそう」そう感じたんだ。
なぜなら、そこに並んでいたのは、私と同じように日々悩み、考え、小さな疑問を自分の言葉で伝えるたくさんの女性たちの声だったからだ。

この場所は見た目、恋愛、家族、性。誰もが一度は考えたことのあるテーマを、ありのままの自分の言葉で語っていた。

それがなんとも普通で素朴で、「わかる、わかる」「それそれ」と思えるものばかりだった。

どのエッセイにも、疑問を抱えながらも生きるみなさんの姿があった。
何者でもない私が、自分の言葉で表現できるそんな自由な場所だったんだ。

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そして、わたしもエッセイを書くことを始めた。
けして派手じゃなく「やってみよっかなぁ」みたいな感じ。しかし、それが私には合っていたんだ。

たかがエッセイ。「誰も読まないでしょ?ただの自己満足」そう思う人もいるかもしれない。

「どう思われるか怖い」
「批判されるかもしれない」
「誰も読まないかも」

このご時世、SNSをしていれば、そんなふうに思うことが1日1回はあるかもしれない。

でも、ここにはそんな人はいないんだろうなぁとも思った。
「それもいいじゃん」「わかるわ」と自分を肯定してくれる人しかいないような感じがしたんだ。

ただ素直に、思いを言葉にできる。そんなに有意義な場所だったんだと思う。

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ここを“居場所”にしていた人も、きっとたくさんいる。
私もこの場所がなくなるのは、正直とてもさみしい。でも、ここで培った“書く習慣”は続けていきたいと思う。

私はここがクローズしても私は変わらないで、そして小さな疑問を表現して、いつかもっといい、もっと「毎日あっというま!」と思えるような充実した世の中がいいと思う。

できたらこれからの社会もここにいる人みたいに「それもあるね」「そういう考えもありね」なんて言ってくれる人ばかりがいいな。

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小さな一歩をくれた、かがみよかがみ編集部様
エッセイストの皆様へ。

かがみすとと編集部の皆さま、そしてエッセイストのみなさん。
短い間でしたが、みなさんと過ごした時間は、お金では買えない、有意義な時間でした。この経験は、1万……いや、10万円出しても買えないと思います!

また皆さんと会える日を、楽しみにしています。