高校生の時に見つけたこのサイトに投稿を始めて1年半。こんなに早くかがみよかがみとの別れが来るなんて思っていなかった。

元々文章を書くことは好き。小学生の頃は先生からもらえるコメントが嬉しくて、よく絵日記を提出していた。それで文章を書くことに抵抗がなくなり、多くの中高生が苦手とする記述式問題はいつしか私の武器になった。

だが、いつまでも先生が自分の書いた文章を褒めてくれるわけではない。先生も忙しいし、週末にまとまった時間が取れなくなると絵日記を続けることは難しい。出された課題以外に自主的に文章を書くことへのモチベーションを保つことは難しかった。

忙しいこともあり日記を書くこともなくなった高校時代に、このサイトと出会った。まだ投稿はできなかったものの、載っている人生の先輩の文章を読んで未来に思いを馳せた。キャリア、恋愛、見た目……大人の世界をチラ見するような気持ちになりつつ、逆境に負けないかっこいい大人をたくさん見させて頂いた。

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そして大学生になって、エッセイ投稿を始めた。毎週テーマ募集があり、ペース的にもちょうど良かった。初めは自分について書いた文章が不特定多数の人に読まれることに少し抵抗があったが、慣れてくるとむしろ読んでもらいたいとまで思うようになっていた。もともと自分のことについて何かと人に話したがる性格の私に、このサイトはぴったりだった。

同じテーマでも書き手が違えば内容が全然違って面白かった。そんな視点があったのか!と感心することも多かった。書く側になってから感じ方が変わり、より楽しめるようになった。そして何より、編集者の方の一言が嬉しくて、そのおかげで飽き性な私でもここまで続けてこれた。

このエッセイがちょうど30本目になる。エッセイを書く中で、過去を振り返ったり未来を想像したりと、自分と向き合うきっかけをもらえた気がする。テーマから連想される過去の日々。その中には明るく楽しかったものもあれば、ちょっと暗くて思い出すのが辛いものもある。だが、今まであえて思い出していなかった過去を改めて振り返ると、いつしかその経験は自分の糧となっていたことに気づいた。また、もやもやとした過去を頑張って思い出し言葉にすると、自分の中で整理がついたのか見事に昇華できてすっきりすることもあった。文章の力を実感した一コマだった。

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私が1年半で書いた、30本のエッセイたち。拙い文章だし、何人の人に届いたのかも分からないけれど、私にとってかけがえのないものになってくれました。自分の作品なのに愛おしいのは何だか不思議だけれど、それはきっと、エッセイに自分を投影できていて、なにより自分をちゃんと大事にできていたからなんだろうな。

私のペンネームは、”ルーセント”。名前に含まれている漢字の意味から付けたけど、実はもうひとつの意味がありました。それは、「半透明くらいの透明度でエッセイに自分を表現できたらいいな」というもの。何もかもさらけ出すことは恥ずかしいしちょっと無理だけど、半透明くらいにしようかな、と思って付けました。名前負けしない作品が書けたんじゃないかな、と思っています。

これからも、折に触れて私のエッセイたちを振り返りながら生きていこうと思います。