次会うときは…。
次会うときなんて、来るのかな。
どうかなって考えてみたけど、私は来ないと思う。

2人でいろんな話をしながら歩いた夜の大学

大学1年生の春
たまたま班が一緒だったあなた。
その後何かと私を探しては、私のもとへやってきて話をしたね。
自然とあなたとの夜のお散歩が日課になった。
お散歩コースは、大学の構内。
騒がしい昼とは違って、広い構内に2人しかいないような気がしてちょっとそわそわしたなぁ。
もう話すことなんてとっくになくなっても、2人で何周も歩いたね。

お互いに大好きだから私たちは大丈夫って思ってた

それから私たちは付き合うことになって、一緒に住み始めたね。
喧嘩したときに家を出て、散歩するのも大学の構内だった。
次の年、あなたは別の市にあるキャンパス移らないといけなくなって、思い切って一緒に引っ越したね。
私は数時間かけて大学と家を往復する日々。
学校が前よりも忙しくなったあなた。
登下校とあなたを支えるための家事に、疲れてしまった私。
お互いに疲れてしまっていて、何も解決しないまま毎日誤魔化して過ごしていたね。
もう修復できないまですれ違ってしまった私たち。
ある日、私は家を飛び出して、そのまま戻らなかった。

あなたのいない初めての春

大学4年になって、初めてあなたのいない春を迎えました。
今の私には、正面から向き合ってくれる人がいます。
私の悩みを1つずつ丁寧に解決してくれるような人です。
私はあなたのことが大好きだったから、もう別の人をあなた以上に好きになれないと思っていました。
だけど、彼のことをすごく好きになりました。
彼が好きにさせてくれました。
彼とこの先の夏も秋も冬も過ごして、また次の春を迎えたいと思っています。

春といえば、あなたの誕生日ですね。
覚えていながらわざと意識しないようにする、というのは大変難しいものです。
彼を好きになって、彼と過ごしていると、あなたとの日々を振り返ることがあります。
あなただって最初は正面から向き合ってくれてたんだよね。
私がまっすぐに愛しすぎて、疲れちゃったんだろうな……って今は思えます。
私はあなたが大好きだった。
十分知ってたと思うけどね。
あなたも私が大好きだった。
お互いそう信じて止まなかったし、だからこそ、話し合わなくても分かり合えるってお互い甘えてしまっていたね。
別れて気がついたことがたくさんあるや。
今更遅いね。
次会うことがあれば……
あと何回、春を越えているのかな。

別れる直前にした手紙やメッセージのやりとりでは、まだあなたと離れる実感も勇気も固まってなくて使えなかった言葉を今ならやっと言えそうです。

「大好きでした。元気でいてね。さようなら」