最初は、小学校4年生のときだったと思う。教室で給食を床に吐いてしまった。先生は「大丈夫?」と言うわけでもなく「今度からは、吐く前に言いなさい!」と怒られた記憶。急いで床を雑巾で拭かれて、罪悪感が募った。「そんないつ吐くかなんて分からないよ。分かっても直前の直前だよ」と思っていた。

自分が細くなろうとしているのに「痩せてるね」に一言に腹が立つ

あれから、早12年。私は、完全に吐くタイミングが分かってしまった。「あ、吐きそう」と思ったら、すぐにゴミ箱に駆け込んで、戻すことが日常になりつつある。こんなこと上手にならなくていいんだけれど。人に会う前は、特に吐きたくなる。なんだか「1度吐いておかないと、きれいな体型を維持できないのではないか」という気持ちが消えない。

実際のところ、筋トレも運動もしていないから、お尻が垂れていたり、二の腕に肉がついていたりして、ちっとも美しくないんだけれど。

頭では理解しているつもりでも、人と会う前に嘔吐が止まらない。何も食べていなくても胃液が出てくる。酸っぱいし、胃がひっくり返るんじゃないかと思うほど黄色い吐瀉物が出てくるのだ。拒食症や摂食障害など、なんらかの病気の症状だと思う。

できることなら、生きることを上手になりたいのに。自分から痩せているくせに、人から「痩せているね」と言われると腹が立ってしまう。人間関係がうまくいかない。なぜか自分以外の人に自分自身を評価されること、それ自体が苦痛に思えるのだ。「太っているね」と言うことは失礼になるのに「痩せているね」は失礼じゃないのかと思えてくる。

そして、人に容姿について言われるたび、食べてないのに運動をしたり、吐いてしまったりしている。これが酷い状況だと思うでしょう。実は、マシになった方だ。理由は引きこもって、人と会わないようにしているからだと思う。

精神科医にも相談したけど「食べてください」と言われただけだった

小学校高学年のとき、ようやく体重が39kgになった。身長は周りと比べて高い方で、158cmはあったのに。中学生のときは160cmを超えているのに、体重が42kgしかなかった。そして、22歳になって身長164cmで50kgに突入した。それでもBMI(=肥満度を示す体格指数)は、ギリギリ普通体重に滑り込んでいる程度。

ようやく、ここまで来たかと思っている。痩せすぎている頃は、胸がないとか、そんなレベルじゃない。凹んでいたと思う。体育座りをすると「しほちゃん、背中が魚の骨みたいになってるよ…」と言われたことがある。今考えると面白いけれど、当時は驚いた。イスに座ると、背中の骨が出ているから、そこに膝みたいな感じで跡が付いていたこともある。

今は、過剰なほど背中に肉が付いちゃって、そんな跡も消えたけれど(なんで背中じゃんくて胸に付いてくれないんだろうね?)。

医者の治療は受けていない。というか、門前払いに近かった。高校2年生のとき、はじめて精神科に行った。そのときに事情を話すと、なんだか色々言われたけれど「食べてください」という内容しか言われなかったのだ。「心理的な問題で、食べられるようになったら解決する」と言われた。

「いやいや、そんなこと、医師免許を持っていない私でも分かるんですけど!」とキレそうになったのを覚えている。

痩せなきゃいけないと思ったきっかけは、普通の顔が嫌いだったから

詳しい理由は分からないまま、強いて言うなら「私がきれいになるためには、もっと痩せなきゃいけない」という気持ちが根底にあることぐらいわかっていた。誰かに「ブス」と言われたこともなければ「美人」と褒められたこともない。

私、ものすごく普通の顔だから。ただ「美人」と言われたかった。羨ましくてしょうがなかったから、それに追いつこうとしていたのだ。その感覚が生まれたのが小学4年生だったのだと思う。あと、日本にダイエット広告が溢れすぎてるからだと思う。

もし、私が完全に標準体重になることができたら、同じように悩んでいる人たちに向けて発信してみたいな。なぜか、麺類は大丈夫だから、よく食べている。これだけは、吐かない食べ物かもしれない。風邪でも食べられるよ。生きてけるね!