自分のことが嫌いだ。
でも私はその原因をきちんと知ってるし、解決策まで知っている。
それなのに悩み続けてもう数年になる。

お母さんの夜ご飯が美味しくて。ストレスの捌け口が"食"に向かった

コトのきっかけは大学受験を控えていた高校3年生の頃だったと思う。
この一年間だけは勉強を何よりも優先させて、でも勉強に影響しないものは好きなだけやろうと考えていた。
しかし、そうなるとできることは限られてくる。
ストレスの捌け口が"食"に向かい始めたのだ。

お母さんのつくる美味しい夜ご飯をお腹いっぱい食べることが私の唯一無二の幸せになってしまった。

それでも当時は割り切っていたのもあり自分の体型をそこまで気にしていなかった。その上、この受験生生活が終われば体型も元に戻るだろうと軽く考えていた。

しかし、そんな考えとは裏腹に数年に渡って苦しむことになる辛い生活は受験が終わった頃から始まった。
"食"の楽しさを知ってしまった私は以前に増してよく食べるようになり、痩せるどころかどんどん太っていった。
そこで誰もが行き着く安易な考えだが、ダイエットに取り組むことにした。
"1日1500kcal、筋トレを毎日"というルールを設けて生活するようになった。
ご飯180gだと◯◯kcal、外食時のご飯は量が多いのでこれの1.5倍。唐揚げはタンパク質源にはなるけど胸かモモか、皮の有無でカロリーが全然変わってくる。野菜は低カロリーだからいくらでも食べて良いけどドレッシングは大さじ一杯で◯◯kcalだから…
そんな努力の甲斐あって1ヶ月で数キロ痩せられたが、もうダメだった。

"食"への楽しみを制限されたストレスが爆発してしまったのだ。
後悔しながらのドカ食いを繰り返し、体重は元に戻るどころか更に増え、そのストレスで罪悪感を感じながら食べ、体重が増え、また食べる。太る。負のスパイラルにハマってしまった。

考えれば考えるほど自分を嫌いになった。自分を大切にしなくなった

自分が醜い。
どんな服も似合わない体型、一体いつから新しい服を買っていないだろうか。
可愛い服も着られないならオシャレもできない。こんなにダサいのに外出なんてしたくない。友達に会うのすら申し訳ないと思うようになった。こんな自分の隣を歩かせるなんて…
こんなに辛い思いをしているのに痩せられない自分への嫌悪が日に日に募った。

大学生になったら恋人が欲しいなんて夢みていた時期もあった。
でもこんな私のことを好きになる人なんているはずがない。そもそもわがままに他人を付き合わせるようなものだ。そんなこととてもできない。
自分はそんな価値のある人間じゃない。
他人の恋愛を見ている時はそんなこと全く思わないのに、自分のこととなるとそんな風に考えてしまうようになった。

すっかり自分のことを嫌いになってしまった。
大っ嫌いになってしまった。

そして、自己嫌悪が増すあまり私自身が自分を大切にしなくなっていた。

他の人が聞いたら「たかが体重が数キロ増えただけでなにをそんな…」と思うかもしれない。
それでも実際、身も心も蝕まれていっているのだ。
この性格のせいで一体どれだけのチャンスを無駄にしただろう。頭ではわかっていてもそう簡単にはいかない。そんな自分をまた嫌いになったり。
自分のことを考えれば考えるほど嫌いになっていった。

そして現状はというと、体型は変わっていない。
お菓子を控えたり、野菜を積極的に食べたり、一汁三菜を意識してみたりと色々な工夫はしているがそう簡単には変わらない。
たまに何かがフッと切れたようにドカ食いする日もある。
もちろんそんな日は罪悪感を感じて、またお腹が膨らんだような、体の至る部分に肉がついたような感覚に襲われる。

良いところをすくいだしてあげたい。懺悔しても過去は返ってこない

それでも、どれだけ懺悔しても過去は返ってこない。ずっと考え続けて鬱になっても、すぐに気持ちを切り替えても、どちらを取っても過去は変わらない。
でも未来は変えられる。

そんな風に考える努力をするようになってから気持ち悪くなるまで食べることが減ったように感じる。

まだまだ気が落ち込む日の方が多いが、そんな私にも昔のように、美味しいものを"美味しい"とだけ感じながら純粋に食事を楽しめる日がくることを願っている。

悪いところばかりに埋もれてしまった私の良いところをすくいだしてあげたい。
そしていつか、ほんの少しだけでいいから、自分のことを好きに、大切にできるようになれたなら嬉しい。