バナナみたいに長細くて、ピカチュウみたいな茶色のシマ模様。
ピンクの口に白くてギザギザの歯が沢山ある、真っ黒でキラキラしてるつぶらな瞳の『うーちゃん』。

私が中学1年生の頃に出会ったうーちゃんは、ウツボのぬいぐるみで握ったり強く抱きしめると「ペーポー」と鳴く。

うーちゃんの顔も形も声も全部大好き。
中学生にもなってぬいぐるみが好きなんて誰にも言えないけど、私のカメラロールはうーちゃんとの写真ばかりで、うーちゃんと一緒に出かけたこともあった。

みんな顔も声も違う。私の大好きな「うーちゃんズ」

うーちゃんと同じぬいぐるみを4つ買った。
みんな顔も声も違うし、縫い代もちょっとずつ違う。
高い声のうーちゃんと低い声のうーちゃん、「ポーペー」って鳴くうーちゃん、新入りのうーちゃん。

私の持ってる最初のうーちゃんは『初代』と名付けた。
こうして私の大好きなうーちゃんズには、沢山のウツボ友達ができた。
初代を正面から見てみると、なんとなく嬉しそうに見える。

他にもうーちゃんとは違う見た目の、茶色くてフワフワの『ニョロ子』と『ニョロニョロ』、小さいサイズの『ちびうーちゃん』。
そういえば、ちびうーちゃんは2匹居たけど1匹は元彼にあげた。
別れてからは処分されたかもしれない。
返して貰えばよかった。
「私のちびうーちゃん返して!」って言いたかった。

今思い出してもちびうーちゃんが処分されて、焼却炉で燃やされて、空気に混ざっていたら…って考えてしまう。

私が悲しい時はそばにいてくれ、楽しい時は一緒に笑ってくれる

そのあと、和歌山のパーキングエリアで買ってもらった『和歌山うーちゃん』や緑色の『まっちゃん』、キリン柄の『カレイちゃん』、ベージュの『きなこ』、茶色の『チョコちゃん』も仲間になった。
あ、そういえば元彼と水族館に行った時に買った、壺に入ってるうーちゃんもいたな。

あとは、フワフワの『ツボっち』と『ツボツボ』、体の中に鈴の入っている『ブーちゃん』と『ビーちゃん』もいる。

あとは腕の入るサイズの『デカうーちゃん』と同じサイズで違う柄の『ニセゴイシうーちゃん』。

確かこれで全員だと思う。
うーちゃんズは、みんな大人で、私が悲しい時はそばにいてくれるし、楽しい時は一緒に笑ってくれる。

中学生と高校生の時にいじめられて、不登校になった時もニョロニョロとニョロ子は励ましてくれた。また、一人で駅のトイレでお母さんの作ってくれたお弁当を食べ続けた時もちびうーちゃんがそばにいた。

悲しくて不安な時も「うーちゃんズ」は私を理解してくれる癒し!

大学生になって「そろそろうーちゃんズともお別れしようかな」とも思ったけど、悲しいことがある度にうーちゃんにしか話せなくて、うーちゃんの前でしか泣けなかったから、家族や友達以上になんでも話せる存在になっていたことに気づいて、離れられなかった。

20歳を越えても、思いもよらない所で傷つけられたり「傷つけてしまったかな?」と不安になったり、周りに気を遣いすぎて上手くいかなかったり、褒められても受け入れられなかったり、恵まれていることに罪悪感を感じたり、言葉では言い表せない複雑で喉につっかえるようなモヤモヤした気持ちがずっとある。

いじめられてきた過去も忘れられないし、夜中に何度も泣いていたぐらい心は幼いままだけど、そんな時でもうーちゃんズは何も言わなくても分かってくれて、可愛い笑顔で私を癒してくれる。

大きな声では言えないけれど、うーちゃんズは私の宝物。