「可愛くなりたい」

物心着いた時から、ずっとそう思っていた。今だって変わらない。
“顔が可愛い”ということは、それだけで武器になり、ブスに比べて何億倍もこの世の中で生きやすい条件なのだと思っている。

それでも私は、自分の顔が「可愛くなくてよかった」と思う時もある。
多分、私の顔が可愛かったらその武器に甘えて、今持ち合わせている武器を獲得できるほどの努力はしてこなかっただろう。

「ブサイク」と言われて泣いていた時、私は誇れるものがなかった

「ブサイク」と初めに面と向かって言われたのは、小学校1年生の時。それまでに私は、自分のことを“ブサイク”と自覚していたので、その言葉に対しては別に驚きもしなかった。

悔しかったのは、私のことを「ブサイク」と呼んだ子が、明らかに自分より“ブサイク”だったからだ。「なんでこいつは私よりブサイクなくせに、自分のことを棚に上げてそんなことを言えるのか」と不思議でたまなかったが、過呼吸になりそうなくらい泣きわめき、しばらく考えていると答えが出た。

その子は、バレーボールが得意だったからだ。すなわち、自分に自信があったから。

そう気づいた瞬間、私にも「何か誇れるものが欲しい」と思った。それは、私にとって人生のターニングポイントである。

決して楽ではなかったけど、私は自分が誇れる「武器」を得た

それから、私は読書と勉強に没頭した。親に呆れられるくらい勉強をし、親に「可愛くないわね」と言われるくらい知識を身につけた。そうすることで、私には自信がついた。

だからといって私は、他人に「ブサイク」と言ったりしない。顔がブサイクな上に性格までブサイクで、ただ勉強だけが取り柄のような私を誰が好き好むだろうか。

私は、“勉強が得意”という武器を身につけ自信をつけた後、続けて愛嬌・忍耐・ハングリー精神・ポジティブ思考・セルフプロデュース力という武器を着実に身につけた。

正直、ここまで多くの武器を身につけるのには、何度も「まあ、ブスだし」という言い訳をしたくなる時があった。でも、こうしてたくさん武器を身につけたおかげで、“ブサイク”でも人並みに大学に入れて、人並みに恋愛もできて、人並みに就職できて、人並みに楽しい生活が送れている。決して楽ではないけど、楽しい生活だ。

私は「ブサイクに生まれてよかった」と声を大にして言おう!

あの時、私よりもブサイクな子に「ブサイク」と言われなかったら、こんなに楽しい生活は待っていなかっただろう。

ブサイク、バンザイ!!!!!

私がブサイクに生まれたからこそ気づいたことや経験したこと、身についたことは数え切れないほどある。

思い切ってこう言おう。
「あー、ブサイクに生まれてよかった!!」