その表現、誰かを傷つけていない? 日常のコミュニケーションの落とし穴

ジェンダーや人種の問題にいつでもついて回るのは、表現方法の問題だ。女性のパートナーのことを、「家内」と呼ぶこと、そして女性が男性の結婚相手のことを「主人」と呼ぶことが問題にされることがある。BLM(Black Lives Matter)に関してのNHKのアニメ描写が、差別的、ステレオタイプだと批判を受けたことも、記憶に新しい。
今までは「そういうものだよね」と受け入れられていた言葉たちが引き起こす違和感が、社会の中でも個人としても、次第に大きくなってきていると感じる。

せっかくの機会なので、私が疑問視している表現や言葉についてまとめてみることにした。

グローバル社会で生きる上で気になる表現

・「外人」
この言葉は差別語であるというのは、まだまだ知らない人も多いのではないか。先日、サロンに行った時に、担当の方から「外人さん」という言葉を聞いてモヤモヤしたのだ。今日も、カフェで隣の席の人が「外人さん」と言っていた。油断していると、ぽろっと言ってしまいそうになる言葉なので、恐ろしい。

・外国人が話す日本語をカタカナで表記すること
外国語を話す時は、誰だって母語の影響が出る。カタカナ表記に悪意はなかったとしても、無知を感じる。「相手は日本語を話している」のに、「自分たちが母語を表記するのとは別に表記する」ことへの違和感(私たちが、girlと言ったつもりの言葉を、girrと表記されたら嫌だと思う)。

・「どこ出身?」という言葉
この言葉を容易に使ってはいけないと思ったのは、留学先でイギリス系アフリカ人作者の本をフィーチャーしたブックトークでのことだった。参加者のうち一人が、where are you?と聞かれると、「出身地のことなのか、それとも自分のルーツのことなのかが分からない」と言っていたのだ。彼女はイギリスで生まれ育ったが、ルーツはアフリカにある。その時、「わざわざ『どこ出身?』と聞くことは、その土地の人ではない、その国の人ではないと無意識に判断しているってことだよな……」とヒヤっとした。

・ハーフ
日本で「ミックス」を意味する「ハーフ」は残酷な言葉だと思う。「半分」は日本人で、「半分」はそうじゃない?その人が日本で生まれ育ったとしても、日本人にはなれないということ?
同時に、「ハーフ」への期待の高さにもグロデスクなものがある。「アメリカとのハーフなんだ!じゃあ英語も話せるんだね?」みたいな、言語ができることへの期待、それから「ハーフは可愛い・かっこいい」という外見においての期待。
個人のルーツはルーツとして大切にできる環境も必要だが、少しでも別の国・民族へのルーツがある人たちを「他人」として切り離すような「ハーフ」という言葉、扱いには違和感が拭いきれない。

日常のコミュニケーションにおいて気になる表現

・「女の人だから」「男の人だから」
男女の脳の違いは、もう既に否定されている(私が見つけた英語論文は2007年に執筆され、2008年にオンラインにも載せられていた)。いつまでも「女だから話を聞いてほしいだけ」「男だから他人を思いやれない」などというのは、双方に失礼であるし、あなたの目の前の人の性格を性別だけで判断していいのだろうか?という疑問を投げかけたい。

・体型や顔立ちについての褒め言葉
あなたは、女性は細い方がいいと思っていて、自分の体重を恨んでいるかもしれない。だけど、あなたが「細くてきれいだね」と褒めようとしている相手は、体重を増やしたくてもできない体質かもしれない。その逆も然り。
容姿は相手の中でのコンプレックスになりやすいからこそ、センスを褒める方が相手も素直に喜べるのではないかと思う。「その洋服素敵だね。似合うね」とか、「笑顔が優しいね」とか、そういう内面に注目した言葉に少しずつ変えていきたい。

以上、6つの「日常に潜んでいる、ちょっと眉をしかめたくなるような表現」を集めてみた。
私が見逃しているだけで、きっと他にも様々な呪いになってしまうような、現代を生きる人にとっての「通底概念」や言葉があると思う。
ニュースや最新の価値観を知ることは、日常のコミュニケーション能力に直接影響してくる。気づいたり、指摘されたり、見かけた際には、すぐに自分の中で言葉遣いを改められるような人になりたい。

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