ミス東大出場の根本朱里さん「ミスコンは顔で判断すべきという人はうちのファンにはいない」
今年、上智大学はミスコンを廃止するなど、「ルッキズム(容姿至上主義)」への批判やジェンダー問題への意識の高まりもあり、各大学も従来の「容姿を競うだけ」のミスコンからは変わりはじめているようです。実際に、ミスコンに挑戦する女性たちはどうした思いで出場を決めているのでしょうか。連載「私がミスコンに挑む理由」で聞いていきたいと思います。
今年、上智大学はミスコンを廃止するなど、「ルッキズム(容姿至上主義)」への批判やジェンダー問題への意識の高まりもあり、各大学も従来の「容姿を競うだけ」のミスコンからは変わりはじめているようです。実際に、ミスコンに挑戦する女性たちはどうした思いで出場を決めているのでしょうか。連載「私がミスコンに挑む理由」で聞いていきたいと思います。
――フォロワー数1万人超。何が注目されていると思いますか?
正直、顔だとは思ってなくて(笑)。ツイートがバズることが多いので、そこに注目されてるのかなと思います。
――どんなツイートが人気なんでしょう?
煙草を吸ったり、お酒を飲んだり。それから、出会い系アプリ「ティンダー」についての考察ツイートを面白がってみてくれる人が多いような気がします。そこは、ミスコンへの固定概念……清楚で、黒髪で、きれいめワンピースみたいなものをぶち壊したいと思って、あえてやっています。
東大女子に対しても、まじめ、清楚、ださい……というイメージがあると思うんで、そこをこわしたい。意外性があればあるほど、相手に飽きられない。ミス東大×???にどれだけ、意外性のあるものをいれられるかが鍵だと思っています。
――まわりの反応どうですか?
最初は「下品」とか「これがミスコン出場者か、ありえない」とか「ミスった東大」とか散々でした。最近は徐々に、ミスコンらしくなくていいね、という肯定的な反応の方が増えてきました。
――ミスコン出場者に恋人がいることを隠すべきかどうか、アンケートをとっていましたね。あれはどういう意図があったのでしょう?
ミスコン出場者で彼氏彼女がいることについて
— ミス東大No.3ねもっちゃん(根本朱里) (@miss03todai2020) September 4, 2020
まわりのミスコンの出場者を見ていても彼氏がいる人の方が多いですし、だから逆に「ミスコン出場者も彼氏は普通にいるんだよ」ってことをどう伝えようかなと思って…(笑)。なので、もし彼氏がいるってわかったらどのくらいの人が悲しむのかを知りたかったんです。>
例えば、私の場合もタレントの坂口健太郎さんに彼女がいるってなったら悲しいって思うかなって。私が坂口健太郎さんを思うような気持ちで見てくれているのか、どうなのか……(笑)。結果、80%の人が気にしないいうことだったので、彼氏がいることを伝えてもいいのかなって思いました。
――上から目線で絡んでくると言われる「ミスコンおじさん」は寄ってきますか?
ああいうのは可愛らしくて絶対反抗してこなさそうな子にいくので、私のところにはあまりこないです。私の場合は、悪口やアンチ系は無視!「かわいいね」「応援するよ」とかポジティブな言葉には、いいねか「ありがとうございます」と返します。
――そもそもなぜミスコンにでようと思ったのでしょうか?
高校生のときから、ミスコンに対しての憧れはありました。でも、ずっと自分の顔がいやだったんです。もっとかわいくなりたいって思ってました。友達とふたりでいるときは、相手と比べて自分が劣っているのを感じて悲しくなったり。顔が嫌すぎて、泣いて学校に行けないときもありました。それくらい嫌でした。
なので、ミスコンに出ることで顔に価値をつけたい、という思いがあったのかもしれません。自己承認欲求のかたまりでした。
高校までは、勉強ができて、友達もいるし、顔もそこそこ……と思っていたのですが、大学に入って、アイデンティティが失われた。東大に入るとみんな頭良いし、かわいいし、金持ちだし……自分はゴミクズだなと思ってました。高校まではずっと勉強は一番だったのに、圧倒的ビリ。課題を助けてもらったり、みんなに教えてもらう、いわゆるバカキャラになってました。
そこで、将来の夢もかわったんですよね。これまでは国連で働こう!と思ってたんですけど、同じような夢を持つ子はもっともっと勉強ができて、あ、かなわないなと気づきました。
今まで自信を持っていたものが全部崩れ去った時に、私は何が好きなんだろうと振り返ると、洋服だったんです。そこから、毎日古着屋さんにいくようになりました。服って個性を表現するものだと思うけど、服には優劣ってないんですよね。そこがすごく好き。
そこでアパレルのインターンにいくようになって、自分の存在価値を見いだすことができたんです。最初はただの雑用みたいな業務から、段々と力が認められて、最終的にはクリエイティブリーダーまで任せてもらえるようになった。コツコツやる、言われたことは絶対やるとか、そういうところが評価されたのかなって思います。
自分らしさを表現することの楽しさを知って自信を取り戻せたので、ミスコンにも挑戦したいなと思ったんです。
――ミスコンは容姿を比べる場所でしょ、ルッキズム(容姿至上主義)でしょという批判についてはどう思いますか?
顔に関しては一番ブスだと思っているので、そこで競わされたら負けるしかないじゃんって思っています。たまに「顔で戦えないから、ネタツイで伸ばしているの痛すぎ」と言われますけど、それも作戦としては全然ありだと思っているので、なんとも思いません。ミスコンは顔で判断すべきだと思っている人は、うちのファンにはいない気がします。
ミスコンって、顔だけじゃないと思っているんですよ。どれだけインパクトを与えられるか、人の心を動かせるか。それが顔の人もいるだろうし、私は「あれ変な人がいるぞ」って思ってもらうことだと思っています。
1997年静岡県生まれ。2016年、東京大学入学を機に上京。文科3類から医学部健康総合科学科に進学。大学2年の冬から株式会社yutoriでインターンを開始し、現在はストアクリエイティブリーダーを務めている。将来の夢はL'Arc-en-Cielになる事。
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かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
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