どんな人になりたい?表向きの私に隠れた本心は「いじめられない人」
どうなりたいって、結局コンプレックスをカバーしたいだけだ。
私は学生時代、いじめられていたことがトラウマになっているようで、そこで染み付いた価値観が今も拭えないままだ。
”舐められたくない”の一心で、強い女になりたいと日々思っている。自信満々に我が道を行く、自分の意見はどんな相手でもハッキリと述べる。
なんでなりたいかって、いじめられなさそうだから。もちろん、実際は上っ面だけで内面は真逆なのだ。内面だけじゃない、外見はコンプレックスの塊だ。
”こんな顔が可愛い”というルッキズム的な価値観が染み付いていたため、眠たそうな垂れてる一重とか、なぜか大きい頭と顔、色味がないのに厚めの唇はどうしてもネガティブなものとしか捉えられなかった。
Waackダンスとの出会いは、なりたい私を見つけた瞬間だった
私は数年前から下手の横好きで、ストリートダンスに手を出し始めた。気が乗る時に練習して、一応今も続いている。
ダンスにはジャンルがあり、それぞれ特徴がある。私が練習しているジャンルはWaack(ワック)というジャンルで、一般ピーポーにはあまり馴染みがないジャンルだと思う。
ゲイダンサーがクラブで当時の女性俳優さんやモデルさんの仕草やポーズを真似たことが始まりだったらしい(諸説あり)。なので、今のWaackもいわゆる”女性らしい”動きや仕草が目立つ。
ダンスを練習している中で「なぜ私はWaackを選んだのだろう」と不意に思い返すことがある。ダンスのジャンルはWaackだけではない、しかし私はWaackに強く惹かれたのだ。
ダンスを始め、まもない頃に友人に誘われ、初めてダンスのイベントを観覧しに訪れた。その時に、Waackを踊るある女性を見て強く惹かれたのだ。
「私もこうなりたい」と強く思ったのを今でも覚えている。
ダンスで表現することによりキライな自分を救った私
私はもちろんすぐに、従来のロールモデルのような顔立ちで、自分に自信を持って発言したり行動したりできるようになるわけではない。
だが、それはダンスによって実現できた。何か”個性的”な、”オリジナリティ溢れる”ダンスが出来なくても、なりたい自分をダンスで示すことはできる。
憧れる外見にはなれないけれど、自分が美しく綺麗だと思えるポージングやシルエット、仕草を魅せる。気弱な性格もすぐには変えられない、でもダンスで自分に自信を持ち誰にも負けない余裕を魅せることはできる。
本当ならダンスをしていない時でも、理想の自分でいたい。でも、”気弱で自分の外見を愛せずダンスでなりたい自分になる”私も、きっと素敵だと思う。