私は、お洒落反対派だった。

なぜ、メイクをしなければならないのか。なぜ、動きにくい服を着なくてはならないのか。いつもジーンズにパーカーという生活をしていた女子大生が、ひょんなことからお洒落に目覚めた。

私と正反対のお洒落が大好きな妹。彼女は、いつもキラキラしていた

きっかけは、妹の存在だった。妹は私と対照的で、お洒落が大好きだ。ヒールの高い靴に、ばっちりメイク、かわいいスカート。準備に時間をかけ、出掛ける。私は、そんな妹を嘲るように見ていた。

しかし、妹はいつもキラキラと輝いて見えた。自分にコンプレックスを抱える私とは、まるで正反対だと思っていた。「あなたもお化粧すれば、○○ちゃんみたいになるのに」この言葉を何度聞いたことだろう。そんな日々にうんざりしているときだった。

妹に「髪の毛結んで」とお願いされた。いつものことだったが、いつも通り妹の期待に沿うように結わいてあげた。すると妹は、キラキラした表情で「ありがとう!」といって颯爽と去っていった。

あぁ、私にもそんな表情ができるのかな…。そんな期待半分不安半分で、自分の髪の毛を結んでみた。こんなに自分を丁寧にケアしたのは、いつ以来だろうか。

自分なんか…と悩んだけど、お洒落を「楽しむ気持ち」があれば大丈夫

あれ…、楽しい…!!
そんな感情が沸き起こってきた。そこから私のお洒落ブームが始まった。妹にプチプラコスメを習い、YouTubeで動画を観ながら、見よう見まねでやってみた。うまくはできなかったが、なんだか自分が輝いて見えた。最初は自分なんかが、輝いていいのだろうか…と悩んだ時期もあった。

しかし、そんな悩みは楽しさが吹き飛ばしていった。そこから半年もしないうちに、私は友達に化粧品屋へ連れて行ってもらった。そこでは店員さんが、私に合わせて似合うものを選んで試すことが出来た。

メイクが完成した私は、店員さんに「素敵」と言われ、友達にも「かわいい」と言ってもらえた。なにもしていない地の私よりも、もっと輝いている。なんだかそんな気がした。

キラキラ輝くために、誰もがお洒落やメイクを「楽しむ理由」がある

今、私はもっぱらの美容ブームだ。洗顔に気を遣ったり、アイメイクをしてみたり、今までよりもずっとお洒落にかける時間が増えた。お洒落ができるのは、女の子の特権だと思う。いくらでも、理想の自分になろうとすることができる。そんな特権を私は思う存分生かしていきたいと思う。

いつの間にかお洒落肯定派になった私は、自分を輝かせる術を磨いている。どんなお化粧が私を引き出してくれるのか、どんなお洋服が私に似合っているのか…出費は増えたし、時間もかかるけど、それでも私にはお洒落をする理由がある。

障害があったり、生物学的には男性だったり、心が女性であるならば諦めないでほしい。どんな人でも女性は女性。自分らしく輝けるのだ。

そして、今日も私はお洒落に勤しむ。自分らしく輝けるように。