昔の恋人に散々バカにされて。悔しくても、特に何の努力もしなかった

まったく、男性の自分勝手な視線にはほとほと参ってしまう。私は、昔から自分のからだにコンプレックスを抱いてきた。152センチと、あまり高くはない身長。ゆえに、短い手足。それらは十分に私の自信をなくさせる短所であったが、1番の悩ましきポイントは何と言っても胸であった。私は今、20代後半にさしかかろうとしているが、下手したら中学生位の頃の胸と変わっていないのではないかなんて思うこともある。

私は元々、かなりの少食というか偏食だった。好きな物しか食べないという、あれだ。カルボナーラにハマればそれだけを食べ、カップ麺にハマればそればかり。栄養なんてまるで気にしていなかった。そのせいか痩せてはいるものの、筋肉もなく実に不健康なからだだったに違いない。昔の恋人に、からだのことを幼児体型だの何だの散々バカにされた記憶がある。私は悔しかったが、特に何の努力もしなかった。

ある日、私は白米を食べた。今まで何の気なしに食べていた白米だったが、妙に美味しく感じられた。それからは毎日2合炊き、無我夢中で食べた。その結果、私は9キロ太った。痩せたからだからすると、9キロ増えたところで大差はないのかもしれないが、当時の私はとてもショックだった。事実、足はパンパンに膨れ、余裕で履けていたジーンズも履くことが困難になっていた。とにかく見た目が非常に変わってしまったのだ。

ダイエットで理想のからだを手に入れた。しかし、相変わらず胸は

私は、ダイエットすることを決意した。しかし、体重を落とすにしても今までのような偏食スタイルでは、ただただ貧相なからだに逆戻りするだけだ。

色々調べた結果、食事と運動に特に気を付けることにした。毎食ごとにカロリーを計算し、一日の摂取量を調節する。そして肉と野菜をバランス良く食べる。(もちろん白米は食べ過ぎない)。毎日30分のウォーキング。筋トレも開始した。最初はきつかったが、数ヶ月後には理想のからだになっていた。

しかし、相変わらず胸は貧相なままだった…。良くアニメに出てくる、ボンキュッボンの体型にはどうしたらなれるのだろう?もはや豊胸手術をするしかないのか…なんて落ち込んでいた。私の体型をバカにした彼とは別れ、それから紆余曲折あり結婚し、妊娠した。夫も私の胸がないと嘆いていた(バカにはしなかった)

母乳をあげるためとはいえ、感動した。しばらくすると、役目を終えた

つわりは壮絶なもので、何を食べても何を飲んでも吐いた。入院までした。良く妊娠中は太りやすいと言うが、体重はほとんど変わらなかった。無事に出産を終え、するとびっくり。胸があるのである。赤ちゃんに母乳をあげるためとはいえ、初めて見る自分の胸に感動した。夫も感動していた。(まったく、男性は本当に胸が好きである!)女性のからだはライフスタイルによっていとも簡単に変わるのだと私は強く実感した。それからしばらくして、母乳からミルクに移行したので私の胸は役目を終えたかのようになくなっていった。

芸能人などが良く、作りものの胸だなどと批判されるのを見るが、作りもので何が悪い!と私は思う。私のように貧相な胸に悩む女性はかなり多いのではないだろうか。他にも顔が大きいとか、スタイルが良くないとか女性なりに悩んでいるのに、そんな気持ちも知らず無神経に罵倒する。峰不二子のような完璧なスタイルが好きなことはそれで良いが、それを他人に押し付けるのはどうかと思う。鶏肉やキャベツをしこたま食べたからといって、目が覚めると爆乳になっているなんて夢のまた夢の話である。大切なのは、どんなからだでもその女性を丸ごと受け止め、愛する姿勢なのではないかと思う。というか、むしろ世の男性がみなそうであって欲しい。