自分のからだの中で好きなところ。私の場合は鎖骨にあるほくろだ。夏場に少し襟が開いたトップスを着る時、ちらりと見える。それが好きだ。いつも見えるわけではない。下ろした髪や服に隠れているときの方が多い。今の冬の時期ならば特に。なのに何故それが好きか。

自分の一番好きな部分が、誰かの目に晒されることはあるのか

私の胸はあまり大きくない。「貧乳」と罵られる方が多いくらい。スタイルも26歳を過ぎても未だに幼児体形で寸胴。そして童顔。服の上からでも分かるような所謂「魅力的な女性らしさ」が無くて、実年齢より幼く見られがちだ。でも、そんな胸元にポツンとほくろがあることで、胸の大きさなんてどうでもよくなってくる。シンプルなアクセサリーのように、少し大人っぽく見えるような気がするのだ。

ただ、いつも風呂場で鏡をみるたびに頭によぎる事がある。私が自分のからだの中で一番好きな部分、この鎖骨のほくろが誰かの目に晒される日は来るのか?

普段人目につかないから、その魅力を伝える機会が圧倒的に少ない

言葉にするのは少し恥ずかしい気持ちがあるが、敢えて書いてみる。鎖骨のほくろを誰かに見られるシチュエーションや、その相手はごく限られる。例えば、夜、ベッドで。恋人、パートナー、夫と…。悲しいかな、当てはまるような相手は今の私にはいないし、そのような状況になる予定も今のところ無い。

自分のからだの中で一番好きなところが普段人目につかない部分だという事は、その存在や魅力を示したり伝えたりする機会が圧倒的に少ないという事だ。だから「モテたい!彼氏欲しい!」と思ったら、まず目につきやすいコンプレックスだらけの髪の毛や肌や顔の化粧から外見磨きから始めるのが最も効果的であり、おそらく妥当なのが、ちょっと不満で矛盾を感じている。(第一印象は見た目で55%で、勿論内面を磨くのも大事なのは重々分かってるけど!)それらを改善させるには日々のお手入れが欠かせないし、それなりにお金や時間が掛かる。今まで費やしたヘアケア用品、ボディケア用品、化粧品の費用対効果を考えたら「ここまでやって、これくらいなんだ」と泣けてくる。鎖骨のほくろに手入れ費用なんて1円たりとも掛からないのに。

この鎖骨のほくろを「いいね」なんて言ってくれる日が来たらいいな

自分のからだの中で一番好きな鎖骨のほくろが、誰にも気づかれず魅力を発揮できないまま死ぬのは嫌だ。得意なことで勝負できず、苦手なことばかりで続ける不毛な戦いみたいだから。

いつか自分のからだの中で一番好きな部分、この鎖骨のほくろが身も心も許した相手の目に留まり、願わくば「いいね」なんて言ってくれる日が来たらいいな。そんな事を胸に秘めながら、今日も私はせっせと外見と内面を磨く修行に勤しむ。