心はどっしり此処に、身は変わりゆく状況や環境に任せながら生きてきた2020年。気付けば、私は大学4年生になっていた。

私は「人生の夏休み」とも表される4年間をどう過ごしたのだろう。意味を持たせることはできたのかな。別に、意味なんて見出そうとしなくてもいいんだけどさ。ふと、4年間を振り返る。

劣等感にさいなまれた日々。しがみついて、なんとか大学に進学した

4年前、高校生の私は賢い人ばかりに囲まれていた。みんな、ほんとうに頭がいい。私は、どんどんと進んでいく授業に必死にしがみつきながらも、返却されるテストの点数を見るたびに肩を落としながらも、周りにはヘラヘラと振る舞う。そして周りを称える。そうしたら誰か助けてくれる気がしたから、弱さを見せることに抵抗はなかった。
だけど、私だって頑張っているのに。

でも、唯一の拠り所であった部活があったから自尊心は保つことができていたと思う。いつだって自分の課題は明確だったし、音楽や楽器に没頭している自分は誇りだった。きっとこういうものをひとつ持ち合わせていたから、辛うじて心のゆとりにつながっていたんだろう、と今になって思う。

結局学力は思うように伸ばすことができず、担任の先生は私の活力に可能性と希望を見出して推薦入試を勧めてくださった。周りはセンター試験の過去問を解き進める中、私は小論文と面接練習に喰らいついた。ありがたいことに、こうやって私の大学入学は決まった。ほんとうにありがたいことだ。

皆との温度差を感じたけれど、きっとこれはチャンス!いざ、海外へ

それなのに。
せっかく大学生になったのに、周りと同じように楽しめない。魅力を感じるサークルは右を見ても左を見ても見つからない。新歓、飲み会のコール、そんなのいい。違和感が苦しい。自分が分からなくなった。

でも、これはチャンスだって思った私がいた。ナイス!私。大学に入ったら絶対したいと思っていたことを思い出したのだ。
それは留学だった。絶対行くと決めてからは、アルバイトに没頭する毎日。そして大学1年生の春休み、私は念願の留学に飛び立った。

人と違うなんて当たり前。等身大の自分に自信を持って

留学期間は、本当に刺激的な日々を過ごした。海外にいる時は、自分が今までよりもちっぽけに感じた。でもだからこそ、ちっぽけだからこそ、もっと自分を開放していいんだと思うことができた。

“そうや。私、今まで人と比べてばっかや。”

そんなことに薄々気付き始めた留学期間終盤、たまたまLGBTなど性的少数者のパレードを見た。これに私は強く胸を打たれたんだ。人間は一人ひとり皆違っていて、尊重されることがこんなにも美しいんだって、思えた。

帰国後は、自然と自分を大切にできるようになった。だって、人と違うことは当たり前だし、当然でしょ?楽しみ方も価値観も考え方も違う。
こう在れるようになってから、私は私でいられた。

大学2、3年生の時は、若者に旅を広める学生団体で活動した。そこで、ひょんなことから、夢を語るプレゼンコンテストの運営をすることになった。ああ、自分は夢とかないし…自分は学力が低くて自信がなかったんだけど…。でもだからこそ、夢をもつことができなかったからこそ、私は人の夢を応援することならできる。そう信じて、目の前にいる人に向き合い、寄り添ったことで私自身も夢を持つことができた。
そう、もう、人と比べて自分を下げたりしない。等身大の、私でいられる。

あの頃の私へ。思いのままに飛び出したら、きっと世界が広がるはず

4年前の私へ。

周りの人のこと、気になるよね。うらやましいよね。
でもあなたは絶対大丈夫。きっとあなたが今見ている世界は、物凄く狭いんだと思う。その違和感は、あなたの御守りにしてほしい。

思いのままに、外に飛び出してみて。
自分のちっぽけさに気付いたり、自分らしさが見えたりするかも。
そして、あなたが感じていることは全部無駄じゃないです。
劣等感も葛藤も、どんな想いも、あなたを大きく咲かせてくれるよ。

来年からは、社会人として夢を追います。
私の夢は、「全ての人が、自分自身の存在意義と夢に誇りをもって、挑戦し続けられる社会をつくること」。