家族の中で自分だけが休日という平日の朝、起きて自分の部屋からリビングに向かい、入ろうとするとなぜかテレビがついていることに気づく。まじか、、と思いリビングに入ると父が休みをとったようです。
こういったことが割と頻繁にあるのですが、こうなると私は信じられないくらいテンションが下がってしまうのです。

はじめに言っておくと、私は父が嫌いとか苦手とかそういうわけではありません。
ただただ一人で過ごせると思っていた時間が無くなってしまったということが嫌というか、悲しいというか、苦しいというか、自分でもよくわからない感情に苛まれてしまうのです。

また、父は寡黙な人だから一緒にいるとずっと話しかけてくるとかそういうわけでもなく、なんなら私が起きてきたタイミングでそれまで自分が見ていたテレビを消して私にテレビを譲ってくれるような、娘の私がいうのもあれですがとても気遣いのできる優しい人です。
だからこそ、そんな感情を抱いてしまう自分自身の冷たさにも嫌になってしまうのです。

一人の時間が欲しいけれど家族と一緒に暮らしたい

そんなに一人がいいのなら、もう大人なんだし一人暮らしでもなんでもすりゃいいのに、と思われるかもしれません。
わたしもそう思います。でもそれは無理なんです。家族のことが大好きだし、家族とは一緒に暮らしたい。はあ、自分で言ってても意味が分からない。。。
結局私は「実家暮らし」というものの甘い汁だけ吸って生きていきたいと考えるわがまま娘なだけではないか。といった自己嫌悪によって、最低でも午前中はずっとぐるぐると考え続けてしまうので、思いがけない有給休暇で父が体力回復する一方で私はHPを消耗してしまうのでした。

思い返してみると「一人の時間が欲しい」という欲望によって恋愛関係を破綻させてしまった経験もあります。
以前付き合っていた彼氏はネガティブで面倒くさい私をこっちが恥ずかしくなるくらいまっすぐに愛してくれる素敵な人でした。
その愛ゆえに休日には必ずデートの予定が入り、私がバイトの日もわざわざバイト終わりに迎えに来てくれて、終電まで駅で喋ってから帰る、というような生活が続きました。

彼のことは大好きだけれど、やっぱり一人の時間がほしい

そうすると案の定私は「一人の時間が欲しい」となるわけです。
ですがこの気持ちを彼に理解することは難しく、「俺といるのが楽しくないのか」「俺のことが好きじゃないのか」という気持ちにさせてしまいました。
そんなことはありません。私は彼といるときは心の底から笑っていましたし、彼のことが大好きでした。けれど一人の時間も欲しいということを彼にうまく説明する術が私にはありませんでした。
そうなると負の連鎖で彼が私に不信感を抱くようになり、一人でいるときに何をしているか把握できないと浮気を疑われたり、LINEもすぐに返さないと何度も電話がかかってくるようになりました。
そんな生活に私が耐えられるはずもなく、でも私をこんなに愛してくれる人なんて他にいないんじゃないかという思いからすぐに別れるという決心もつかず、彼に「3日間だけ会うことも連絡を取ることもやめさせてほしい」とお願いをしました。しぶしぶではありましたが、彼はそのことを了承してくれました。

その3日間、簡単に言うと最高でした。幸せを感じてしまいました。それまではネットフリックスで映画を観ていてもLINEの通知が入るとその都度一時停止をして返信をする、読書をしていても数ページ読むたびにそろそろ返信をしなくちゃなと思いながら読書をする。そんな状況での映画も読書も楽しめるはずがありませんでした。
しかし、その3日間はそんなことから解き放たれて趣味に没頭できる。「ああ久しぶりのこの感覚、なんて幸せなんだ」そう思いながら過ごしました。そして、彼とお別れする決心がつきました。

自己嫌悪に傷ついても一人でいたい感情に振り回されてしまう

3日間楽しく過ごして別れる決心がついたはいいものの、次に襲ってきたのはやっぱり罪悪感と自己嫌悪でした。
「彼にこんなに楽しませてもらったり愛してもらったりしたのに、一人でいることにこんなに幸せを感じてしまうなんて、なんて冷たい女なんだ。」さらには「こんなわがまま女には絶対に罰が当たるぞ」とまで思いました。
そして、別れたいといった時の彼の傷ついた顔を見て、私の「一人の時間が欲しい」という感情はこんなにも他人に不幸をもたらしてしまうものなんだという事実に申し訳ないけど私自身も傷ついてしまったのです。

長々と書いてきましたが、このように私は「一人の時間が欲しい」という感情に振り回されてばかりの人生を送っているようです。
なかなか理解してもらえないこの感情。無い方が恐らく生きやすいこの感情。

それでもやっぱり私は「一人の時間が欲しい」のです。