柄シャツに片耳ピアスの男の子を、キャンパス付近でよく見かけるファッションに関して「量産型」という言葉が言われるようになったのは、確か私が大学生の頃だったと思う。始まりは男子大学生から。当時は本当にデニムシャツにチノパンというスタイルが爆流行りし、遠目には男友達の識別が困難になるほどだった。最近では、菅田君のファンかな?と。

ファッションのブームそのものは、そこまで悪いものじゃない

もちろん女子大学生の間にも、その時々でファッションのブームがあった。現在29歳の私が思い出せるのは、森ガールとか。花柄ワンピースにGジャン、カンカン帽とか。懐かしくて震える……。

「私も着てた~」とか「みんな持ってたよね~」みたいな会話って結構盛り上がるし、そんなブームが我が国の冷えきった経済をゴリゴリに回していることは間違いない。私もその波にノリノリで乗っかったことはあるし、気に入らないときは乗っからなければいいだけの話。「量産型」は揶揄されることもあるけれど、ファッションのブームそのものは、そこまで悪いものじゃないと私は思っている。

しかし、私は1つ勘違いをしていた。私は「量産型」というものが、情報や流行に敏感な若者だけのものだと決めつけていたのだ。大人になったら、それぞれがそれぞれの、ファッションの道を歩んで行くんだろうな、と。

しかし実際自分が大人になって、周りを見回すと、全くそんなことはなかった。大人のファッションにも「量産型」、めっちゃあるやん……!!

結婚式におけるゲストのドレス姿。あれはまさしく「量産型」では

もうこれはきっと、結構多くの方が分かってくれると思うのだけれど、結婚式における最近のゲストのドレス姿。あれはまさしく「量産型」のそれではないだろうか(地域差や世代差もあるかもしれない。情報求ム)。

まず、「ドレスに合わせるボレロやショール、あれって制服みたいじゃない?」と思った女性が各地に現れた。

そして露出NGというマナーを守りつつもボレロやショール無しで式に参列したくなったその女性は、肩から肘辺りまで、レースで覆われたドレスをネットで探し、ポチる。それを着て式に参列する。

次に、ドレス姿を直接見た、もしくはSNS等で見かけた別の女性が「素敵!」と思って、同様のドレスをポチり、着用して参列する。以下、その繰り返し。

結果、ボレロやショールを羽織る女性は徐々に少数派へと追いやられ、肩から肘辺りまでがレースで覆われた、尚且つアラサーが手に取りやすい暗い色(黒や紺、ダークグリーンなど)で身体を覆うドレスが、新たな「量産型」となった。

……どうですか、この「量産型」逆転現象。結婚式はマナーという制約があるので、そもそもファッションが横並びになりやすい場ではあるだろう。しかし私はこの逆転現象に、結構な衝撃を受けた。あまりにも急激に、みんなが全身ダークトーンに包まれたものだから……。

なんだか、リクルートスーツっぽいというか、晴れの日っぽくないというか、黒子っぽいというか……(それはそれで正しいゲストの姿なのかもしれないけれど……)。

幼稚園児の頃からファッションの勢力争いに触れている子ども達

私の回りで他にある、大人の「量産型」ファッションは、幼稚園や小学校のママのそれだ。それぞれのグループをぐるっと線で囲いなさいと言われたら、誰でも簡単に丸を描けると思う。

その内訳は、コンサバグループ、スポーティーグループ、ゆるめカジュアルグループ。以上。私が思うに、大体この3つのどれかに入りますよ、ママのファッションって(投げやり)。

そして、それぞれの園や学校のカラーによって、どのファッションが主流になるか、その勢力図が異なるという感じ。そして、各グループの中でセンスの良いママが輝くのである。たまにゴスロリママや、木村カエラママみたいな、どこにも属さないママも現れたりはするけれど、それはごくごく少数ではないだろうか。

そんな母達を持つ子ども達はどうなっているのかというと、ハロウィーンはほぼ全員が帯刀して和装、竹を咥えている子、頭に蝶を乗せている子。普段使うマスクですら、かなりの人数が和柄でまさに横並び。プリンセスのドレスが少数派、もはや0になっているのを、私は今年目撃しました……令和のカルチャーショック……。

いや、再度言うけれど、ファッションに関する「量産型」や「流行」は、それ自体は批判されるべきものではない。ハロウィンの仮装も言わずもがな。そのように思うのだけれど……

幼少期からこうも簡単に、同い年の友人を「見た目」で括れてしまうということによるデメリットも、親として一応は頭の片隅に入れておいた方がいいのかもしれない。ぶっちゃけ言うと、仲間外れ、めっちゃしやすいと思う。さらには意図せずにしてしまうこともあるだろうから。

ちなみに我が子達は「鬼滅の刃」(言っちゃった)を全然知らない。私も知らない。長男は聞きかじりの情報で「ひみつのえいが」と言っている(なんじゃそりゃ)。次男は公園で拾ってきた枝を、「これをくわえるんだよ!」と言っている(枝…)。

肺の呼吸しか使えない母としては、「園生活馴染めてる?」と不安な反面、こんな流行の「型」が原因で困る子どもが生まれるなんて、作者さんも望んでいないだろうよと思い、慎重に様子を見ているところである(我が家は3世代ポケモン党)。

昔はしたいファッションがあっても、すぐにそれが手にはいる事はなかった。だから型が量産されることもあまりなかった。でも今はネットがある。どんな服でも、どんな仮装でも、どんな柄のマスクでも手にいれることができる。だから、親の裁縫スキルは一切不要。結果、見た目に多数派と少数派が生まれやすい状況が生まれた。

そんな現代、幼稚園児の頃からファッションの勢力争いに触れている子ども達。先日私が公園で息子達を遊ばせている時。女の子集団の方から「ふわふわのスカートじゃなきゃ、仲間にいれてあげな~い」という発言が聞こえてきた。ギョッとしたおばちゃん(私)がさらに聞き耳を立てると、なになに?……今はふわふわのチュチュが流行っていて?スパッツを履けば減点対象で、ズボンはアウトなの…?き、厳しい……。

今の子どもたちは、「量産型」ファッションという元々無害なものが、しばしば生んでしまう事のある軋轢を早くから知る。そこから経験を積んで学ぶ機会に恵まれる(?)のも、昔より早いのかもしれない。こんな現代ならではの衝突は、そもそもオーバーワークが過ぎる幼稚園や学校の先生達の身にも、恐らく降りかかっていることだろう……。

令和を生きる、スマホ操作やタブレット学習がお茶の子さいさいの子ども達なら、きっとこの状況に対応できる逞しさがあると、母はそう願うしかない。みんな、強くなれる理由を知ろうな(耳タコ)。