私が出す2021年の宣言は「舞台に立つ」です。
突然ですが、皆さんにとってエンターテインメントとはどのような存在ですか。
私は本当に演劇を続けたいのか?自分と向き合い、ぶつかった壁
さて、私は役者を目指しています。
舞台に立ちたい、自分にとって舞台やミュージカルをもっと身近な存在にしたいと思い、大学の進学先も東京に決めました。その為、大学に入学してすぐの6月から演技を専門に学べる学校にも入学し、現在も在籍しています。
2020年9月、私は人生で初めて舞台に立つ予定でした。舞台に向け、読み合わせや立ち稽古も始まっていました。しかし突如世界を襲ったコロナにより公演は中止となり、私の夢だった舞台は不完全燃焼で終わりました。外出自粛期間は私の演技の学校も休校となり、大学の授業もオンラインとなりました。
上京以来目まぐるしい日々を送っていた私に、急に暇という時間が訪れました。
その時、改めて自分と向き合いました。
自粛当時、稽古中や上演した舞台でのクラスターが報道され、エンタメは人々に必要なのか?という疑問がテレビでも報道され、SNSなどでもエンタメや演劇は人々に必要ではないという意見が飛び交いました。
私自身、大学は演技専門ではなく、所謂普通の大学に進学しました。授業の中で、自分が興味を持てる分野にも出会い、演技を本当に続けていきたいのかという壁にもぶつかりました。
誰かの演技が、誰かの心を動かせる。演技が持つ力を実感する
しかし、自粛が明け、演技の学校も再開する中、配役を頂くという機会を貰いました。選ばれた当初は、舞台に立つことも記念かなくらいの気持ちでした。しかし、舞台の稽古を通して、初めて出会う人と共に1つの舞台を作り上げる事、立ち稽古などで演技をする事の楽しさをより実感しました。
結果的に、公演中止という形になりましたが、初めて舞台に立つという試練は私にとって発見の嵐でした。
まず、エンタメは人の気持ちを動かす事が可能である。と、より実感できた事です。今この記事を読んでいる人の多くには、舞台での心に響いた言葉や好きな物語、演目があるのではないでしょうか。辛い時に励ましてくれた演目、挫けそうな時に救われた言葉、大好きな人と共に過ごした時間など、色々あると思います。一時は必要が無いと言われたエンタメによって、今この時間を共に過ごせている人が居るのではないでしょうか。
私もその1人です。私の人生はまだ20年少しと短いものです。しかし、その中で様々な試練にぶつかりました。そんな時支えてくれた、勇気をくれたものがエンタメでした。
私たちの人生も、舞台の一つ。未来を描くのは自分自身
2020年は、世界中の人々が大切な人に会いたくても会えない、色々な事情により苦しんだ人が多いと思います。その試練を人々が乗り越えて、また演劇が盛んになった時、ちっぽけな私が誰かの人を救えるかもしれない。私の演技を観て、また明日も頑張ろうと思ってくれる人がいるかもしれない。そんな小さな期待が今の私の生きる糧です。
シェイクスピアの言葉に「この世は舞台、人は皆役者である」があります。舞台の物語にも喜怒哀楽があり、様々な事件が起こります。深い悲しみがあるからこそ、人の優しさに気付ける事がある。悲しみがあるからこそ楽しい出来事もより一層楽しく感じてしまうのが人間ではないでしょうか。2020年、暗い出来事が多かったように思いますが、これも舞台の一部、台本上の一部だと思えば、なんだか頑張れそうになりませんか?世の中には、バッドエンドの舞台もあります。ですが、私たちの人生そのものが舞台であるならば、そのバッドエンドの先を書き上げる事が出来るのもまた自分自身なのです。
ここで最初の質問に戻ります。貴方にとってエンタメとはどんな存在ですか?
私は、まだまだ未熟な役者の卵ですが、2020年に不完全燃焼として終わった「舞台に立つ」という目標を2021年は達成し、観てくれる人に勇気と元気を与える人になるために、今から精進して参ります。