すでにお気づきのこととは存じますが、私はあなたが存在することに、何年もの間悩んできました。

あなたのことが嫌で嫌で、嫌なところしか私の目に入ってこなかった

特に最近までの数年間はあなたのことが嫌で嫌で仕方がなかった。
どうしてかはわからないのですが、あなたの嫌なところしか私の目には入ってきませんでした。

まず、見た目がダサい。オシャレの勉強も苦手。お金と根気が続かない。時々頑張ってちょっとマシになることはあっても、結局冴えないことには変わりはない。
なら人間性でカバーすればいいのではとも思ったけれど、人と会えばだいたいの人と話が合わない。合わせられない。人間性でカバーしようにもしきれなくて、ひどいときには少し話すだけで疲れてもうぐったり。こんなだから、社会で生きていくのに必要な処世術とコミュニケーション能力がさっぱり身につかない。

周りからは、気分が明るい時でも「見た目が暗い」と言われ、他愛のない話をすれば「話し方がキモい」と言われ、一旦その場を離れれば陰で私に投げつけられる言葉は聞くに耐えない勘違いと誹謗中傷のオンパレード。
どこに行ってもこんな調子で、結局私はここにくるまで自分の居場所を見つけることができませんでした。

自分を変えようと見せかけて、本当は自分が変わる気などなかった

何でこうなるのか私なりにいろいろ考えました。そして、結局のところ、誰に何を言われても、あなたは“あなた”でいたいのだということに私は気がつきました。
あなたは自分を変えようと見せかけて、本当は自分が変わる気などなかったんです。
例えどんなに嫌われても、あなたは見た目も中身もダサい、人とまともに話せない、暗くてキモいあなたのままでいたい。
要するに、あなたはいまのあなたが大嫌いなようで大好きなんです。
他人に言われて嫌な思いをするのは嫌だと思う一方で、周りがどう思おうとも、私がどんなに傷つこうとも、あなたには一切関係ないと思っているんです。

まったく、あなたは私を何だと思っているんですか。
自分勝手に振る舞ってくれているあなたのおかげで、こちらは心無い人達に叩かれまくってずいぶん苦労しました。
ホントに、あなたがいなければ、と何度思ったか知れません。

あなたがいなければ見ることができなかった景色に、たくさん出会えた

と、ここまで散々恨みつらみをぶちまけてしまいましたが、なんだかんだ言っても、あなたがここにいてくれていることに私は感謝しています。

あなたは、私が私でいる尊さを忘れないようにしてくれた。
あなたがいなければ、私は自分を周りに合わせることしか考えなくなって、いつしか自分がどんな人間だったかも思い出せなくなっていたかもしれない。

それから、あなたは私に、私にしか見ることのできない世界を見せてくれた。
あなたは普通の人が見ているような世界を私には見せてくれなかったけど、その代わり私を私の内側にある世界に連れていってくれた。
あなたがいなければ見ることができなかった景色に、私はたくさん出会うことができた。

そして何より、あなたはこの世界で頑張って生きてきてくれた。
毎日がすごく辛くても、私の人生を終わらせないでいてくれた。
あなたがいなければ、私はいまここにはいませんでした。
25年間、ここまで生きてくれてありがとう。
いまの私があるのは他でもない、ここにいるあなたのおかげです。

いままでの私は目の前にある世界を受け入れることで精一杯でした。
ですが、周りの世界がどうあろうとも、やっぱり私は“わたし”でいるしかなかったように思います。
それならば、これから私は、“わたし”を生かすために生きていこうと思います。
この1度しかない人生を、“わたし”がありのままでいるために、一歩一歩、あなたと共に歩んでいくつもりです。

これくらいしかできませんが、この決意があなたを幸せにすることにつながるのならば、これほど嬉しいことはありません。